「不二家」と「シャトレーゼ」で分かれた明暗。“ペコちゃん色”を薄める“脱ファミリー戦略”にかかる期待
日刊SPA! / 2024年12月19日 8時53分
シャトレーゼが絶好調な背景の一つにアイス需要の獲得があるでしょう。
◆“アイス需要の急増”で嬉しい悲鳴
アイスクリームチェーンのB-Rサーティワンアイスクリームの業績も好調。2024年12月期の売上高は前期比17.7%増の291億円を計画中。実に4期連続の2桁増となる見込みです。
コロナ前の2019年12月期の売上高は194億円。5年ほどで100億円を上積みしました。アイス市場の好調な様子が伝わってきます。
シャトレーゼは2023年の酷暑で、アイスの欠品が続出。生産が追い付かない事態に追い込まれました。そのため、今年の冬はアイスクリーム工場をフル稼働させ、在庫を増やしました。2025年夏には九州にアイス工場を新設する計画を立てています。2021年もアイスの供給が追い付かなくなり、製造ラインを増設。生産能力を増強していました。
シャトレーゼは出店形態にも恵まれました。郊外のロードサイド型の店舗を出店していたため、巣ごもり需要を獲得することができたのです。
◆まるで「ゼンショー」のような動き
また、亀屋万年堂や冷凍菓子を販売する菜花堂(さいかどう)などを買収。デザートの総合企業となったことも急成長を後押ししています。
ロードサイド型の店舗に強みを持ち、提供する商品の種類を増やして顧客の間口を広げ、更にM&Aで業績拡大を続ける姿は、牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスと重なるところがあります。
しかし、郊外型の店舗という店においては、不二家のケーキショップも同じ。独立型のものだけでなく、「いなげや」「ヤオコー」「マルエツ」などのスーパー併設型の店舗も多く展開しています。スーパーマーケットはコロナ禍による巣ごもり特需の恩恵を受けました。
それにも関わらず、不二家は売上高を伸ばすことができていないのです。
◆「普遍性」と「立地特性」が噛み合い、好調を維持
まず、ケーキ市場そのものの停滞感があるでしょう。先ほどの矢野経済研究所の調査では、2023年のデザート市場は4.3%伸びるという予測でした。これにアイスクリームの市場を加味してそれ以外(洋菓子・和菓子など)の伸びを算出すると、2.5%ほどとなります。
また、不二家はファミリー層が主要なターゲットであり、少子化が深刻化する日本においては不利。ハレの日需要など利用シーンも限定されてしまいます。
不二家は2023年9月にロゴを一新し、「ペコちゃん」のトレードマークである、舌をモチーフにしたデザインを採用しました。ファミリー層に親しまれた“ペコちゃん色”を薄めており、ブランドイメージの刷新を図っています。
この記事に関連するニュース
-
「1人1万円」の入場料は高すぎる…テーマパークに行けない“庶民の受け皿”が好調である納得の理由――ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月14日 8時45分
-
ラーメン店の廃業が急増!山岡家、一風堂、丸源ラーメン…「有名ラーメンチェーン」の業績を比較――ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月11日 8時45分
-
沖縄・北中城村に登場! 不二家のケーキが買える自販機 品ぞろえは?
沖縄タイムス+プラス / 2024年12月11日 8時31分
-
【2024年】人気店のクリスマスケーキ予約情報まとめ
イエモネ / 2024年11月27日 23時56分
-
NVIDIA 8〜10月期、旺盛なAI需要で利益倍増、第4四半期にBlackwell出荷開始
マイナビニュース / 2024年11月21日 9時52分
ランキング
-
1【続報】中学生2人殺傷 近くに住む43歳の無職の男は殺人未遂の容疑を認める 車で来て車で逃走 刃物は見つからず 北九州市
FBS福岡放送ニュース / 2024年12月19日 10時14分
-
2雪はいつ、どこで? 冬型の気圧配置は次第に緩むも22~23日に再び冬型が強まる見込み 東日本では“警報級大雪”の恐れ【3時間ごとの雪と雨のシミュレーション・19日午前11時半更新】
BSN新潟放送 / 2024年12月19日 11時35分
-
3斎藤元彦・兵庫県知事、今年の漢字に「結」選ぶ…再選から「あっという間の1か月だった」
読売新聞 / 2024年12月19日 7時35分
-
4「茶番劇」か「大人の対応」か…安住淳・衆院予算委員長と自民党の小林鷹之氏のやりとりに賛否両論
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月19日 9時26分
-
5渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆が死去、98歳
読売新聞 / 2024年12月19日 9時39分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください