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国民民主党・玉木雄一郎×経済学者・高橋洋一「103万壁問題だけではない。ひっそり取られる、”ステルス増税”もぶった切る!」<緊急対談>

日刊SPA! / 2024年12月20日 15時57分

高橋:ところが、「103万円の壁」を178万円に引き上げろと国民民主党が訴えると、政府からは「7.6兆円の税収減となる」と懸念の声が上がり、地方首長からも「自治体財政が破綻する」などと反対論が巻き起こったわけだ。

玉木:政府与党も地方も「税収が減るから大変だ、大変だ」と、税金を取る側の話ばかり……。減税によって手取りが増えれば消費が増え、経済が活性化して税収も増える。ところが、7.6兆円の税収減という試算は自然増収を完全に無視して、減ったものだけを計算しているんです。

高橋:あの試算は、内閣府の「短期日本経済マクロ計量モデル」で行われた。簡単に言えば、ケインズ型の短期需要モデルだから、実は、供給サイドはほとんど分析できない。財務省は減税の経済効果が出にくく、試算には不利に働くのをわかって、あえて使っているんだよ。

玉木:政府の試算では、名目GDP1%の減税をすると、実質GDPの拡大は1年目、2年目、3年目とも税収減の額を大きく下回ることになっている。要は、減税による税収減を景気拡大ではカバーできないというんです。でも、短期モデルで3年先の経済効果なんて出ませんよね。

高橋:そうそう。「103万円の壁」を撤廃すれば、働き控えをしていた人たちが働くようになる。労働時間が増え、労働供給が増加します。これらの経済効果が表れるのは2、3年後。ところが、短期モデルで試算しているのに、「2年目も3年目も景気拡大効果は変わらない」などと、シレッとデタラメを言っている。

玉木:自民税調の後藤茂之・元経済再生担当相は「経済効果による税収増は恒久財源ではない」という迷言まで残したほどです(苦笑)。

◆財務省は消費増税時も「影響はない」と大嘘

高橋:2019年に消費税を8%から10%に増税したときも、財務省は同じ短期モデルを使って「増税しても影響はない」と言っていたが、実際は景気が大きく落ち込んだ。「あのときもこの短期モデルを使って、大嘘ついただろ!」と言ってやれば、シンプルでもっとも説得力のある反論だよ。

玉木:あの短期モデル、結構、外しているのに一度も検証されてないんですよ。

高橋:当たるわけないよ。大蔵省時代、あまりにも酷いから私が修正モデルを作ったんだけど、上司は「そのままでいいよ」と言っていた(苦笑)。

玉木:正直、私も消費増税を過小評価していたところがあります。マクロ経済で怖いのは、足し合わせたときの影響がバカにならないところ。

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