「THE W」、下ネタより気になった“無理に褒める審査員”の存在…「むしろ女性芸人に悪い印象を与える大会」と思うワケ
日刊SPA! / 2024年12月21日 8時48分
理由をいくつか挙げることができるが、火曜日という平日に放送されたことはやはり大きいだろう。土曜日の日テレは21時からドラマが2本放送されており、日曜日は『ザ!鉄腕!DASH!!』と『世界の果てまでイッテQ!』が無類の強さを誇っている。THE Wは、これらのレギュラー放送よりコンテンツとして弱いと局に判断されたのだろう。
日テレに対しては、多くの人が抱いている印象がある。テレ朝にはM-1が、TBSにはKOCが、フジにはR1がすでにあり、お笑い賞レースのコンテンツを持っていなかった日テレが「他局と横並びになりたい」という思惑で後発ながら立ち上げたのがTHE W。この印象は今も拭うことができていない。
そんなTHE Wも今や、テレビに不可欠な女性芸人を発掘する場として機能している。優勝賞品に「日テレ人気番組出演権」があるように、『おもしろ荘』や『Nizi Project』(ともに日テレ系)とその構造は遠からずだ。つまり、この賞レースはテレビ的に内向きな機能を担う大会でもあるということ。
◆「未熟な状態でテレビに発掘される」がM-1との違い
吉本興業に所属する2004年結成の女性漫才コンビ「Dr.ハインリッヒ」の幸は、過去のインタビューでこう発言している。
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――女性芸人だけの大会『THE W』には出ないと宣言されていますよね。『M-1』と『THE W』にはどんな違いがあると思われますか。
「全てのレベルがもう違う。『THE W』が始まった時に、またなんでこんな余計なことを……ってすごく思ったんですよ。賞レースに出られない女の人に対して、じゃあテレビに出れる、賞金もあるっていうチャンスとして始まったじゃないですか。でもそれ、ものすごい的外れな優しさだと思う」
――的外れな優しさ。
「お笑いってやっぱり『おもろい/おもろない』でしかないから。すぐバレるんですよ。女だけで戦ってるから、まだ面白くない状態でも出れてしまう。あと数年、劇場で経験積んだらもっと面白い完成度のネタを作れたかもしれん子が、未熟な状態のまま決勝に出れてしまうんです。そしたら『やっぱ女はおもろない』てこき下ろせる便利な装置になってしまってるんですよ。これは余計なもん作りおったって思った。だけども、『THE W』を目指してがむしゃらに頑張ってる子はいるんです。その子たちのあり方は、もちろん応援してるんやけど。ただね、ちょっとね、頑張ってる女の子にももうちょっと気づいて欲しい。漫才かコントかその他か関係なく、ルール無用で女のみで競い合うって、かなり不自然な事ですよ。でも出たいんでしょうね、若い子は」
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