回転寿司チェーンで“ひとり負け”状態のかっぱ寿司。大手3社と分かれた明暗――ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月22日 8時43分
伸明はアグリフード・バリューチェンの構築を目的に川上事業(生産者支援)・川中事業(食の加工)・川下事業(中食と外食に参入)を垂直統合した食関連の多角化を実践している。ちなみに親会社の神明は営業利益率49.8%とほぼ半分が利益という圧倒的な収益力である。
国内外で426店舗出店している。内訳は、国内185店、海外241店と海外のほうが多い。ブランド別では国内は魚べいが169店、元気寿司は9店と国内は魚べいブランドに経営資源を集中しているようだ。しかし、海外では逆に元気寿司が225店、魚べいが6店、千両が26店となっており、地域ごとにブランドの棲み分けを行っているようだ。
◆競合他店とは違う儲ける仕組みが確立
魚べいの決算資料(2024年3月期)から業績を見ると、売上618億円、営業利益49億円、営業利益率8.0%と、大型回転寿司チェーンの平均値である5%を3%も上回っており、競合他店とは違う儲ける仕組みが確立されているようだ。
2024年3月期の業績は、売上618億円、原価254億円(原価率 41.1%)、粗利益364億円(粗利益率58.9%)、販管費 315億円(販管費比率 50.9%)、営業利益49億円(営業利益率8.0%)となっており、自己資本比率は33.5%と財務構造の適否から見ても問題はない。
商品面では、実際に食べてその良さが分かるが、ネタの大きさと価格の安さには満足度が高い。スシローが看板商品として力を入れるマグロも価格は10円高いがネタの大きさと鮮度から比較しても遜色がない。回転寿司もこれだけ競争が激しくなると、メニュー内容や各商品の価値に差がなくなり、価格も含めた実質的価値の勝負になってくる。
しかし、魚べいにこれだけお客さんが集まるのを見ると、多くの人にその価値が認められているということだろう。原価率もあれだけネタが大きいのに、回転寿司にしては低く安定しており、店舗の原価管理能力の高さと親会社の支援体制が強力なのが推察される。
◆巻き返しを図る「かっぱ寿司」
1994年は回転寿司業界のリーディングカンパニーだった「かっぱ寿司」。頻繁に流れていたあのCMソングを懐かしむオールドファンも多い。低迷した原因は総菜事業など業容拡大に励んだものの、競合他店より広めでムダの多い空間で、経営効率が低下し、業績低迷に陥った。
そこで業績向上のために手っ取り早く原価を抑制して利益確保に努めたが、お客さんから商品への不満が増えて、さらに業績が悪化した。そういった状況下で、革新的なビジネスモデルで追随してきた大手3社に差をつけられてしまったのである。
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