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コロナで売上7割減、月400万円赤字…激戦区の「ラブホテル社長」が明かす生き残る秘訣と“困った迷惑客”

日刊SPA! / 2024年12月25日 15時52分

「なんとか返していけるだろう、と思いました。父のもと、経営を学んできたし、この商売しか知らないし、できない。社員やパート社員やそれぞれの家族、僕の家族もいるから潰れるわけにはいかない。何よりも、ラブホテル経営が好き。これで生きていけることにとても感謝しているから、お客様に満足していただけるホテルにしたかったのです」

 だが、改装後、2か月間は利用者が当初の想定よりも少なく、「どうしよう」とうろたえたという。工藤さんによると、18部屋ならば少なくとも1日に10組入らない状態が続くと、経営が成り立たなくなるようだ。

「経営を安定して続けるための1つの目安として18室の場合、1日最低2回、つまり、36組のお客様にご利用いただけるぺースを守ることとしています。3か月目から、お陰様でそのペースになりました」

◆リピーターが7割。集客アイデアには報酬も」

 工藤さんがそのペースを維持できるように、4人の社員と20人のパート社員たちと力を注ぐのが、館内でのイベントだ。年末年始、バレンタインデー、市内の桜満開日を当てるクイズ、夏祭り、お盆、リンゴを浴槽に入れるリンゴ風呂、ハロウィン、お風呂の泡を10倍にする”バブルス10倍”、クリスマスなど毎月、イベントをする。さらに毎年、内容を変えている。

「お客様の7割前後がリピーターですから、常に新鮮さを感じ取っていただけるように工夫しているのです。いつも、全員の力でめちゃめちゃ凝ったイベントに毎回しています。赤字覚悟の試みの時もあるのですが、お客様に楽しんでいただきたいのです」

 たとえば今年のクリスマスならば、大きな機械式のサンタクロースが登場したり、いたるところに装飾やグッズがあり、楽しい雰囲気を醸し出す。クリスマスにふさわしい飲み物や食べ物もつくる。オリジナルのプチシュークリームだ。

「僕よりも、社員やパートの皆さんのほうがアイデアははるかに豊富で、料理も上手い。いつもすごいなと感心しています。お客様から注文が多い場合、そのアイデアを出してくれた社員やパート社員には、感謝の意味を込めて給与とは別に一定のお金を支払っています。優れたアイデアは、お金に代えないと出てこないと思います。お金を払わずに、アイデアを求めるのは僕は避けたい。自分でアイデアを出すと、責任感を持つようになるのです」

◆大雪の日は「1日3回。2~3時間除雪」

 1か月ごとのイベント以外にも、毎日、様々なイベントを行う。1か月間で同じイベントは2日ないようにしているのだという。飲み物や食べ物にも様々な工夫をしている。最近は、きなこ団子やミニマフィン、サラダパフェ、ようかんパフェ、アワビ入りお雑煮を始めた。衛生面に細心の注意を払いながら、常に100種類以上のメニューをそろえる。このメニューも随時、変えている。

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