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高額バイトとして人気の「治験」定年後に参加する人が増加。50泊で“謝礼金100万円超”の案件も――ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年12月29日 15時44分

◆シニア向けの治験は増加傾向

 一方、治験を募集する側にも話を聞いてみた。大手治験情報サイト「治験ネット」の担当・藤井氏によると、9万人以上の登録者のうち、60代以上の会員は約3%。全体に占める割合はまだ少ないが、やはりコロナ禍を通して「治験」に対する認知度が上がったためか、登録者は順調に増えつつあるという。

「以前は高齢者対象の治験が少なく、弊社サイトで募集している案件も限られていました。現在も下の世代の方対象のものに比べるとまだ限られていますが、最近はシニア層の治験データが求められるようになり、さらにジェネリック薬や海外で認可されている薬のほか、高齢者を対象とした認知症薬などの治験も増えています。そうした状況を踏まえ、今後は年配者向けの治験がさらに増加していく可能性が高いと見られています」

◆治験の謝礼金は「若年層<シニア」

 ちなみに謝礼金は案件によって大きく異なるが、若年層よりもシニア向け治験が割高で設定されていることが多いとか。

「例えば、入院型の治験だと1日あたりの報酬は、1泊3万円ほど手渡されることも。24時間ずっと時給が発生すると思っていただければイメージしやすいと思います。入院期間はまちまちで短いものだと3~4日ですが、過去一番は50泊で100万円超えでした。一般的な入院食と違ってしっかりした食事が与えられ、外出こそできませんが基本的に過ごし方は自由です。今はスマホやパソコンがあるので比較的時間は潰しやすいですし、同じ治験を受けている人同士で仲良くなるケースも多いです。ただ、入院型の治験は施設が関東と関西、九州、北海道にあるため、それ以外の地域にお住まいの方は少し不利かもしれません」

 それでも入院型はもちろん、通院型の治験も報酬は相応の額になるため、求められる条件はかなり細かい。しかも、各案件によって条件自体もそれぞれ違うようだ。

◆治験は副次的な健康管理にもなる?

「大きく分けると、健康な状態の健常時、何かしらの疾患を抱えている有疾患の方を対象とした2つのタイプがあります。ただし、60代にもなると病院に通院している方も多く、若い方のようなレベルでの健康を維持している人は少ないでしょう。その点、生活習慣病や糖尿病など、有疾患向け治験は、募集対象の疾患に該当していれば合格基準は緩めです。特定健康食品や美容品などのモニターなども、条件のハードルは低くめに設定されています。こちらも、応募者が多い傾向にありますね」

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