「心理的虐待を受けた経験を持つ」29歳女性が思う“献身的な母親像”への違和感…「そばに居続けることだけが愛ではない」
日刊SPA! / 2025年1月2日 8時53分
また、出産後、保育士資格を取ったことで児童虐待について勉強し、「否定的な表現」を始め「夫婦喧嘩を見せる」それ自体も心理的虐待にあたるということを理解しました。大人になってからの手紙や番組のなかで、母は「とっても後悔しています」と口にしていて、今の私は当時のことを「母ではなく環境が悪かった。頼る人がいないという“孤育て”が心理的虐待を産んだ」と理解しています。
◆なぜ入院する息子の付き添いを断ったのか
――現在、ご子息は入院中であると伺いました。2024年4月に初めて体調を崩されて入院したとき、應武さんは付き添いを断り、結局、旦那さんが付き添いされたとか。その理由を教えていただけますでしょうか。
應武:当時、私は夫から「ついに卒乳もできたことだし、これまでずっと頑張ってきた分1週間くらいリフレッシュでもしてきたら」と提案され、旅先にいました。息子の不調の報せを受けて、急遽帰宅したんです。その病院は家族の誰かひとりが付き添えるシステムで、感染症対策のため、1度付き添ったら同じ人が2週間ずっといなければなりません。私は「母が私にしたように、私もまた息子に虐待をしてしまうのではないか」と恐怖しました。虐待は起きてからでは防げません。
夫は「息子視点で今一番そばにいて欲しいのは母親だと思うから、付き添ってあげてほしい」と言っていました。その気持ちもわかります。しかしそうした私の考えを夫に伝え、議論した結果、彼が息子に付き添うことで決着しました。彼からは「まりーちゃんに親らしさを求めることはもう諦めた方がいいのかな」と言われてしまいましたが。
◆ずっとそばに居続けることだけが愛ではない
――ご子息への思いはあるものの、ご自身の生育歴からくるトラウマなどを勘案した結果、付き添わない選択をしたわけですね。
應武:そうですね。虐待の多くは密室で起こります。虐待を防ぐため、具体的には、子どもとの一対一の空間で煮詰まったり親が精神的に追い込まれてしまう瞬間を少しでも減らすために子育てシェアハウスを立ち上げた経緯があります。子育てに向き合うなかで少しずつ恐怖が薄れている最中ではありましたが、どうしても2週間の付き添いは難しいと判断しました。後ろめたさはありましたが、親子関係を破綻させないために長い目で見てプラスの選択だったと思います。ずっとそばに居続けることだけが愛ではないと信じています。
――今後、ご子息は医療的ケア児となります。シェアハウスの同居人はご子息の法律上の家族ではありませんが、これまでと同様に共同で育児をすることが可能なのでしょうか。
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