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「家計をやりくりしても全然追いつかない」50代・収入400万円世帯に密着して浮かび上がった“生活苦の正体”

日刊SPA! / 2025年1月7日 15時53分

「家計をやりくりしても全然追いつかない」50代・収入400万円世帯に密着して浮かび上がった“生活苦の正体”

600万円の貯金しかない通帳を手に、思い悩む岩田さん。50代世帯の平均貯蓄額約1700万円にはほど遠い……

物価高によって家計支出が増加する一方、所得は伸び悩み、国民は苦しんでいる。だが、果たして原因はそれだけなのか?暮らしのそこかしこに潜む「生活苦の正体」に迫った。
◆「エンゲル係数」は42年ぶりの高水準に

家計が苦しい――。3年にわたり続く食品の値上げラッシュが直撃し、家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は2人以上世帯で28.0%と、42年ぶりの高水準。その高騰ぶりから「令和の米騒動」といわれたコメは前年同月比で44.7%も値上がりし(9月の消費者物価指数)、収入が伸び悩む多くの世帯を苦しめている。

「スーパーの特売でまとめ買いしたり、家計をやりくりしても全然追いつかない」

そうため息をつくのは、パート主婦の岩田百合子さん(仮名・53歳)。会社員の夫(56歳)、大学2年の息子、高校2年の娘の4人家族だ。彼女に現在と10年前の家計簿を見せてもらい、生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏にアドバイスを仰いだ。

◆10年前に比べて固定費が6万円もアップ

まず、毎月出ていく固定費を見てみよう。岩田さん世帯では、住居費と水道・光熱費、通信費の総額が、10年前に比べて6万円も増えている。近年、電気代が高騰しているが、「昼間は家族全員が家にいないことが多い。それに安い新電力を使っている」(岩田さん)ので、4人家族にしてはコストを抑えているように見える。だが、落とし穴もあると柏木氏は指摘する。

「昼間に電気を使わないなら、『夜割』の契約に切り換えれば電気料金を圧縮できます。低料金のイメージが強い新電力ですが、料金の変動幅が大きく、思わぬ出費に繫がることも。曇天で太陽光の発電量が低下する冬は要注意です」

実際、新電力最大手の東京ガスは、’25年3月検針分から電気代の0.8%引き上げを決めている。

◆支払いが増えている例はほかにも…

口座引き落としで、知らず知らずのうちに支払いが増えている例はほかにもある。

「子供がスマホを持つようになり、通信費が増えた」と岩田さんは嘆くが、「この世代は20ギガほどの通信量を使うのが普通なので、フリーWi-Fiを積極的に使うのを前提に契約を見直しましょう。大量の動画を視聴する世代だけに、忘れてはならないのはサブスクです」

◆知らないうちに家計を圧迫するサブスク

動画配信サービス大手・Netflixは、すでに11月から最安プラン(広告なし)を月990円から1190円と20%も値上げした。Disney+やアマゾンプライム・ビデオも同様の動きだが、サブスクは自動的に料金が引き落とされ、値上げに気づきにくい。さらに、契約が自動延長されるので値上げした料金を延々と払い続けることになり、ジワジワと家計を圧迫する恐れがあるのだ。

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