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「家計をやりくりしても全然追いつかない」50代・収入400万円世帯に密着して浮かび上がった“生活苦の正体”

日刊SPA! / 2025年1月7日 15時53分

家計でもっとも大きなウェイトを占める住居費も、避けては通れない固定費の一つだ。現在、賃貸マンションに住む岩田さんはこう後悔する。

「子供が生まれて私が正社員からパートになり、世帯収入が下がったり、マンションが高騰したりで購入の機会を逃してしまった……」

◆住居費を削減する手は…

住居費を削減する手はないのか。柏木氏はこう助言した。

「近年、管理費や修繕積立金が倍ほどに上がり、購入したマンションを手放し、賃貸に移る人が増えています。通常、1階の物件は敬遠されますが、家賃が安いので好んで選ぶ人も増えている。ただ、家賃相場も上昇しており、まだ高騰していない郊外への引っ越しを検討するのも手です」

LIFULL HOME’Sによれば、東京23区のファミリー向き賃貸物件の平均家賃は1年で17%も高騰。だが、柏木氏が言うように、千葉、埼玉、神奈川の上昇率は10%程度にとどまっている。

◆老後の不安を和らげる方策

「夫が役職定年でボーナスもなくなり、収入が3分の2に。まさかこれほど激減するとは思いもしませんでした……。貯金は600万円しかなく、この先どうなることか」

老後の不安を和らげる方策を、柏木氏に聞いた。

「収入の激減に加えて、中小企業では退職金が出ないことも珍しくない。定年退職の60歳から年金を受給する65歳まで、多くの世帯の収入が落ちます。なので、夫婦2人で月20万円、5年で1200万円の生活費を用意しておきたい。前に述べた見えにくい出費を抑えるのは当然として、まず、同居の息子に自立してもらう。さらに娘が社会人になったら家賃の安い住宅に引っ越しして、奥さんのパートを増やすしかないですね……」

この国に生活苦が蔓延する現在、岩田さんのような家庭は決して少数派ではない。

生活苦の正体
新電力、サブスクなど見えない出費が家計をジワジワ侵食

【生活経済ジャーナリスト 柏木理佳氏】
NPO法人マネー・キャリアカウンセラー協会代表。新著『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』(三笠出版)ほか著書多数

取材・文/綾部まと 写真/PIXTA

【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

―[一億総生活苦の正体]―

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