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スキー場の“倒産件数”は過去最多でも「なぜか好業績」のスノーリゾート会社の存在。稼ぐのは“冬だけ”じゃない

日刊SPA! / 2025年1月10日 8時52分

3.国際水準のホテル誘致と再開発構想
白馬村に保有していた土地を一部売却し、高級ホテルを誘致する動きや、大型ゴンドラリフトの導入など、地域全体を再開発しようという積極的な姿勢が投資家の期待感を高めています。

◆絶景とアクティビティで客を呼ぶ“オールシーズン”戦略

 日本スキー場開発の“オールシーズン”戦略を最もわかりやすく示しているのが、長野県・白馬エリアでのリゾート展開です。「白馬岩岳マウンテンリゾート」では、冬場には国内外からスキー・スノーボード愛好家が集まり、大いに賑わいます。特に売上の約6割を占めるゴンドラリフトチケットの収益性は経営を支える柱となっています。こうした“雪のない季節”でもフル活用できるオールシーズン戦略によって、観光客を呼び込むことに成功しているのです。

◆インバウンド需要を“いかに取り込むか”が勝負の鍵

 グローバルな観光需要が高まる中、インバウンドをどう取り込むかはスキー場運営においても重要なテーマです。日本スキー場開発の2024年7月期ウィンターシーズンの来場者数(主要7スキー場合計)は165万人と過去最高を更新し、そのうちの約35%がインバウンドです。これは新型コロナの影響が落ち着き始めたとはいえ、以前の水準を上回る数字です。

 一方で、課題として顕在化しているのが宿泊施設の不足です。白馬村には古くからのペンションが多く存在しますが、海外からの富裕層やラグジュアリー志向の客層に対応できるホテルの供給が追いついていない状況です。そこで日本スキー場開発は、2024年9月に子会社が保有する固定資産を売却して、その資金をもとにハイグレードなホテルの誘致を進める方針を示しました。譲渡益として約12億円を得ており、これを再開発の原資とすることで、宿泊施設や山麓エリアの魅力を一段と高めようとしているのです。

 豪華ホテルやリゾート施設が増えれば、インバウンドのさらなる需要取り込みが期待できます。同時に、地域経済の活性化にもつながるでしょう。特に白馬は、国際的にもスノーリゾートの知名度が高まりつつあるエリアです。こうした戦略的な誘致が加速すれば、ますます観光客が増え、業績拡大の好循環が生まれる可能性があります。

◆スキー人口減少時代にどう挑む? “次世代”顧客獲得への地道な種まき

 日本国内に目を向けると、長らく続くスキー人口の減少がスキー場経営にとって深刻な課題となってきました。若年層のウィンタースポーツ離れが顕著で、かつてのスキーブームを知る世代からすれば、ゲレンデの賑わいは大きく様変わりしています。

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