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「女子高生コンクリート詰め事件」実行犯の死亡で再注目。36年後の綾瀬に残る“事件の爪痕”

日刊SPA! / 2025年1月12日 8時53分

 裁判で、Aの弁護人は「殺意はないものの、このまま暴行し続ければ死ぬかもしれない」という未必的殺意を主張し、殺人罪の適用を認めた。一方で、B・C・Dの弁護人らは「暴行はしたものの死亡するとは思わなかった」と殺意を否定し、傷害致死罪を主張した。

 90年5月の論告・弁論で、検察側はAに無期懲役、Bに懲役13年、CとDに対しては懲役5年以上10年以下をそれぞれ求刑。

 同年7月に開かれた判決公判で東京地裁(松本光雄裁判長)は、Aに懲役17年、Bに懲役5年以上10年以下、Cに懲役4年以上6年以下、Dに懲役3年以上4年以下をそれぞれ言い渡した。

 その後、東京地検は「量刑不当」を理由に異例の控訴。91年7月、東京高裁(柳瀬隆次裁判長)は、本件は「稀に見る重大かつ凶悪な犯罪で、その残虐さ極悪非道さは、過去にも類例を見出だし難く、社会に与えた影響も極めて深刻であり、原判決は著しく軽過ぎて不当である」として、Aに懲役20年、Cを懲役5年以上9年以下、Dを懲役5年7年以下とした(Bは第一審判決を維持)。その後、Dは最高裁へ上告したものの棄却され、いずれも確定した。

◆現在の事件現場の様子は

 昨年2月、筆者は裁判資料をもとに、Eさんの誘拐現場である三郷市内の路上と、少年らの地元である足立区綾瀬周辺に出向き、少年らの足取りを巡った。

 少年らの地元である足立区綾瀬から北東に約5km。Eさんのバイト先があった八潮市から自宅のある三郷市まで続く、車一台が横切るのがやっとの抜け道。AとCに出くわした交差点から伸びる大通りとV字で分かれ、細い道となっている。

「事件のことはよく覚えています。当時よりかは街灯が増えたかもしれないですが、暗いのは変わらないですね。ただ、三郷市の南側に抜けるにはこの道が一番近いので、それで(Eさんが)選んでしまったのだと思います」(地元住民)

 地元住民によると、風景は当時とほとんど変わらないというが、Cによって落とされた側溝にはフタがされていた。

◆遺体の入ったドラム缶が発見された場所の現在

 筆者は別日に、少年らの地元である足立区綾瀬にも訪れた。

 夜の綾瀬駅周辺は、少年らがたむろしている様子もなく、いたって平穏だ。

 Cの家があった北綾瀬周辺は再開発が進み、当時の報道写真とは大きく変わっている箇所もあった。

「今の北綾瀬は、千代田線で代々木上原などに直通できるようになって、穴場な街として注目されているらしいです。ただ、環七(都道環状七号線)から一本入ると、当時と変わらない暗い感じの住宅地がそのままだったりしますが……」(地元住民)

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