「ミヤネ屋」と「ゴゴスマ」2024年視聴率で分かれた明暗。10年間に変わった“視聴者が望むもの”
日刊SPA! / 2025年1月13日 8時50分
◆視聴者が求めるものに現れた“変化”
変化の1つに視聴者側が放送内容にモラルを強く求めるようになったことがある。この点で昨年の『ミヤネ屋』は痛恨のエラーを犯した。
同11月27日に起きた自民党の猪口邦子参院議員(72)宅のマンション火災を『ミヤネ屋』は同28日の放送で伝えた。トップ項目だった。火災では東大名誉教授の孝さん(享年80)と長女(享年33)が亡くなった。
『ミヤネ屋』は燃え盛る炎の中いる女性らしき人影が映った映像を流した。「視聴者提供」とあったが、日テレの報道局から提供されたものだという。それを放送するかどうかのジャッジをしたのは『ミヤネ屋』である。
放送終了後、BPO(放送倫理・番組向上機構)には視聴者から 「非常にショッキングであり配慮すべきだ」といった批判的意見が約250件も寄せられた。かなり多い。読売テレビ、日テレにはもっと数多くの批判が寄せられただろう。
この映像を流したセンスは40年以上前のものと言わざるを得ない。1982年のホテルニュージャパン火災(東京・赤坂)の際、炎熱の中で窓伝いに逃げようとする宿泊客を各民放は映した。この時も批判の声が上がった。
1985年の日本航空123便墜落事故の際には生存者以外の乗客を各民放は映していない。それだけに今回の『ミヤネ屋』の判断は分からない。まさか攻めと強気の姿勢の表れではないだろう。
攻めと強気は番組内でも表れる。コメンテーター同士が衝突するこがある。昨年11月26日放送で、兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事(47)に「公職選挙法違反疑惑」が浮上している問題について取り上げた際、元大阪地検検事の亀井正貴弁護士と中大法科大学院教授の野村修也弁護士がぶつかった。
野村氏は疑惑が事件に進展する可能性について説明した亀井氏の言葉をほぼ全面的に否定。野村氏が亀井氏の話に割り込んだり、野村氏が亀井氏の説明を笑い飛ばしたりする一幕もあった。野村氏が亀井氏の発言内容に介入までしたため、亀井氏が「表現の自由が害される」と憤然とする場面もあった。
◆攻めと強気の番組は他を見渡しても
攻めと強気の番組は減少の一途を辿っている。かつて午前中は日テレ、TBS、フジ、テレビ朝日の4局が硬派な生情報番組を放送していたが、日テレは2023年から生活情報番組『DayDay.』(月~金曜9時)を放送するようになり、TBSは情報バラエティー『ラヴィット!』(月~金曜午前8時)を流している。フジ『めざまし8』(同)は事件や事故を報じるが、料理コーナーも設けられ、もう硬派一色ではない。
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