1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「都道府県魅力度ランキング最下位」から“脱出した”茨城県。躍進を支えた公式YouTubeの登録者数は「全国2位」

日刊SPA! / 2025年1月14日 8時51分

◆「ランキングを意識した活動」ではない

徐々に茨城の魅力が全国に伝播し、最下位脱出という成果にも結びついたのだろう。ただ、菊池氏は「ランクアップ自体はいいことですが、私たちは、都道府県魅力度ランキングを向上させることを目的としているわけではありません」と主張。では、菊池氏の牽引するプロモーションチームはどんな思いで活動しているのか。

「私の所属する『営業戦略部』は、大井川和彦知事(2017年9月〜現職)が就任後 に立ち上げたセクションです。人口が減るトレンドは変えられないなかで、手をこまねいていれば県内の経済も小さくなっていく……。私たちは、どうすれば外から人とお金を呼び込み、県内にプラスの効果をもたらせるのかを常に考え続けています。観光や特産品などの分野で新しい価値や魅力を生み出すことと、それらを攻めの姿勢でインパクトにある形で県外に発信していくことを両輪で進めることを心掛けています」

◆全28種…大反響の「女将カード」ができるまで

既存の行政による広報活動の意義は、「正確な情報を広く届けるもの」がメインとなる。しかしながら、菊池氏は「我々が目指しているのは、情報を受け取った人の記憶に深く刺さり、残り、その後、行く、食べる、買うといった行動変容に結び付くこと」とする。ゆえに「尖った」発信が必要だと考えているという。例を挙げると、菊池氏が前職時代の2023年に大型観光キャンペーンのプロモーションとして実施した、袋菓子「マイク・ポップコーン」(ジャパンフリトレー株式会社/本社:茨城県古河市)を使った企画だ。

「袋の裏に、プロ野球チップスのようなカードをつけました。入っているのは、茨城の旅館の『女将カード』です(笑)。全28種あり、それぞれ戦闘力も書かれているので、バトルもできるようになっています」

当初は、菓子メーカーの担当者にも意図が伝わらなかった。周りの人ほとんどが「そんなもの誰が欲しいの、売れないよ」と反対意見だらけのなか、主役である女将衆と当時の担当者(小林直人氏)の推進力によって、奇跡的に実現にこぎつけた。

「旅や観光の目的は、美しい景色や美味しい食べ物。ですが、リピートにつながったり、ファンになったりするのに真に必要なのは『人』の魅力ではないかと。パッと頭に浮かんだのが、コロナ禍で苦労されながらも明るく頑張ってきた旅館の女将さんたちでした」

茨城に来てもらうことを目的としているため、原則として県内のみでの取り扱い。それでも、発売するとあっという間に注目を集め、即完売。大きな話題を呼び、すべての在京民放テレビで紹介されるほどの成功を収めた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください