年100軒ペースで増加…“コンビニ化する精神科”の闇。「患者の話を聞くのは5分以内」ノルマを課された医師も
日刊SPA! / 2025年1月18日 8時53分
こうした利益追求を最優先するクリニックがコンビニのように拡大することで、治らない患者も増えるという悪循環が生じているのだろう。
◆コンビニ化で名医すらヤブ医者になる!?
精神科のコンビニ化は、マジメに働く医師の心すら変えてしまうようだ。とある精神科を利用したEさんが、受けた対応を憤る。
「ある疾患の分野における権威で、本も出しているからと信頼してF先生を受診したのですが、とにかくひどかった。『時間がないから』と鬼の形相で言われ、ろくに話も聞いてくれず追い出されるかのように数分で診察終了。まるで狂人扱いされているようで、心底がっかりしました」
そこでF医師の言い分を聞いてみると、残念な事実が浮かび上がった。
F医師はクリニックの方針で「患者の話を聞くのは5分以内」と決められており、「数分延長しただけで院長から解雇をチラつかせて注意されるので、雑な対応にならざるを得なかった」と苦渋の色を浮かべる。
◆“真面目な医師”ほど割を食う未来も
通常なら初診では1時間以上、再診でも最低30分は患者と対話しているという精神科医のG氏は、コンビニ化したクリニックの弊害を以下のように話す。
「どんな病気であるか診断するためには最初が肝心です。特に精神障害の場合は、正常な心と区別をするための診断基準に則る必要がある。例えば明日までに多額の借金を返済しなければならないとなれば、平常心ではいられないでしょう。ところがコンビニ受診だと、その切羽詰まった様子を見て病気と診断してしまいかねない」
また原井氏も、コンビニクリニックの増加が精神科のイメージ悪化に繋がると懸念する。
「そうした事態が続くと、診療報酬も下げられかねない。そうなると真面目に診療している医師たちは、アホらしくなって辞めてしまうかもしれません」
コンビニ化したメンタルクリニックの存在は、医師の質をさらに悪化させる危険性も孕んでいる。
【精神科医・原井宏明氏】
原井クリニック院長。精神科専門医、指導医、精神科保険指定医。著書に『「不安症」でもだいじょうぶ』(さくら舎)など
取材・文/週刊SPA!編集部
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