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「貧乏に苦しむのは自分までにしたかった」“世帯年収300万円台の家庭”から東大合格した学生が“受験の意味”を語る

日刊SPA! / 2025年1月19日 15時53分

「貧乏に苦しむのは自分までにしたかった」“世帯年収300万円台の家庭”から東大合格した学生が“受験の意味”を語る

布施川天馬

―[貧困東大生・布施川天馬]―

 最近の大学受験生は、受験を「やらなければならない面倒臭いもの」だと考えている。
 これは、最近お話を伺った教師歴35年のベテラン先生の言葉です。昔は、「ここで頑張って受験して、人生を逆転させてやろう」とガツガツした受験生もいたけれど、最近はほとんどいない。

 むしろ「面倒だから年内に決めたい」「行けるところに行ければいい」と、安易に年内入試、つまりは推薦・選抜入試に逃げるケースも多いのだとか。「受験のために努力する」ことが時代遅れになっているのだそうです。

 そうして努力しなかった結果、偏差値が低く誰でも入れるような、所謂「Fラン大学」へ流れ着く。

 大学のネームバリューが強くないのに、当人はもちろん、親も「大卒ならいい就職先があるだろう」と安易な考えで、奨学金まで借りて入学する。もちろん就職は難航し、あとには借金だけなんてケースもあるそう。

 私は「そんなのは間違っている」とか「受験はもっと真剣にやるべきだ」と説教する気はありません。ただ、「自分の受験とは全然違う」とも感じます。今回は、受験期ということで、いつもとは異なりますが、私の受験生時代についてお話ししたいと思います。

◆東大か高卒か。限られていた選択肢

 まず、私の両親は2人とも親(私の父方・母方の祖父母)が事業に失敗し、夜逃げしています。母親は中2のときに夜逃げし、最終学歴は中卒。父親は大学3年のときに夜逃げしたので、学費を稼ぐためのバイトが必要となり、結果として就活ができなかったようです。

 中央大学法学部を卒業したにも関わらず、僕が高校生になるまでは家族経営の小さな自営業者の手伝いをしており、収入は非常に不安定でした。小さい頃は、母親が私を連れてポスティングをしたり内職したりして生活費を稼いでいました。

 中学高校は、奇跡的に近隣の学校の特待生枠が取れたので、いい成績が取れるように努力をしましたが、「どの大学に行くか」は全く考えていませんでした。でも、お金がないから私立大学には通えないし、遠くの大学だと交通費や下宿費用が嵩むから通えない。

 つまり、家から通える国公立大学にしか進学できないな、と考えて調べたら、東京大学以外ありませんでした。「ああ、じゃあ東大か高卒かしか、自分には選択肢がないんだな」と考えて、東大を目指そう、となりました。

 しかし現役の時にはあまりうまくいかず、1度目の受験では不合格。週3日フルタイムのバイトをしながら浪人し、もう一度東大を目指すことになります。

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