【広岡達朗】“ひ弱な投手”佐々木朗希は「中4日に耐えられない」。私に言わせれば、吉井監督は本当の指導を知らない
日刊SPA! / 2025年1月24日 15時53分
ファン感謝デー開会式であいさつする佐々木朗希 ©産経新聞
2023年7月24日、パ・リーグ2位で首位・オリックスを追っていたロッテのエース・佐々木朗希投手がソフトバンク戦のマウンドで突然、左脇腹の肉離れを起こし、登録を抹消された。この試合に先発した佐々木は1失点で迎えた6回、90球目を投げた際に左脇を痛め、「左内腹斜筋損傷」と診断された。
吉井理人監督によると全治2か月。高卒でプロ4年目の佐々木はそれまで13試合に登板して7勝2敗、防御率1・48で130奪三振。勝ちが計算できる先発の柱だっただけに、18年ぶりのリーグ優勝を目指す吉井ロッテにとっては、チームの大黒柱が倒れたような衝撃だった。(※本記事は、広岡達朗著『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』(朝日新聞出版)より抜粋したものです)
◆才能の片鱗を示すが、気になるのは…
最速165キロの剛腕は前年4月、史上16人目の完全試合を最年少20歳5か月で達成し、2023年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも日本の優勝に貢献した。192センチの長身から投げ下ろす速球と低めに落とすフォークボールで同季も13試合で130の三振を奪い、四死球18が示すようにコントロールも安定している。
だがプロ2年目の2021年に一軍のマウンドに上がってからは完投がなく、2023年も5月5日のソフトバンク戦で右手中指のマメで降板し、次の登板までに中22日かかるなど、ひ弱な一面ものぞかせた。
たしかに球は速いことは速いものの、気になるのはフォークボールを投げすぎることだ。あんなに速い球があるのだから、私の西武監督時代の東尾修のように、打者の胸元に放って引かせてから、アウトコースに速い球をピッと決めれば楽なピッチングができるのに。
◆佐々木朗希は「中4日に耐えられない」
いまの選手はやるべきことをやらずに、楽をして成功したいという人間が多いのではないか。そして、やるべきこととは何かがわかっている指導者がいないから、選手に教えられないのだ
だから佐々木も、2023年オフの契約更改交渉では代理人の弁護士を通じてポスティング制度を使って大リーグ移籍を強く迫った。その結果、先ほどドジャースと契約を結んだわけだが、アメリカでは先発投手は中4日で回すのだから、いまの佐々木はそれに耐えられないだろう。
後述するが、自分だけ「登板間隔は6日いただきます」なんて、そんなことできるわけがない。いまの佐々木はあそこが痛い、ここが痛いと言っているが、それを叱る監督がいないのだ。
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