日銀の利上げ決定で住宅ローン、銀行預金はどうすべき?金利引き上げで「損しない方法」をFPが解説
日刊SPA! / 2025年1月25日 8時46分
つまり利上げとは、日銀が大元になる「無担保コール翌日物金利」を上げたことによって、連鎖的にほかの金利も上がっていく現象のことです。ある貸し借りの金利が上がれば、それに続く貸し借りの金利も上がる……といった具合に、時間差で徐々に影響が広まります。
◆「政策金利1%」に今から備えておく
物価上昇のように直接的な変化ではなく、間接的に、しかも時間をかけて影響が出てくるので「自分にどんな影響があるのか?」という点が実感しづらいのです。しかし、貸し手と借り手が違うだけで、結局は金利が手数料であることには変わりありません。どんなケースでも「根本的に行われている取引は同じ」と思えばいいのです。
さて、皆さんが気になるのは「金利はどこまで上がるのか?」ということだと思います。日本の政策金利がアメリカのように4~5%まで上昇するのは難しいでしょうが、私は現時点では「1%は想定しておいたほうがいい」とアドバイスを送ります。
なぜなら、ほかならぬ日銀の審議委員が「’26年度中に1%に」という目標数値を発言しているからです。日銀の動向を長く見てきた私からしても、近年の日銀は以前は考えられないくらい“踏み込んだ発言”をしているように思えます。これまでは金融政策を司る審議委員らは、市場関係者などに言質を取られないようにするのが基本的な考え方でした。しかし、’24年9月には田村直樹審議委員が「’26年度後半までには少なくとも政策金利は1%程度くらいまで引き上げておくことが必要だ」と述べています。
◆お金の常識を変えるべき時が来た
審議委員が具体的な目標数値まで出して発言するのは異例ですし、それだけ本気度が高いと感じられるのです。
だからこそ、近い将来に「政策金利1%の日本」になることを想定して、我々は「お金の常識」を変えていかなくてはいけません。
「お金をどこに預けるのが得になる方法なのか?」
「どんな投資をすればお金を増やしやすいのか?」
「住宅ローンはどうすればいいのか? 変動でいいのか?」
正しい知識を身につけることこそ、金利上昇時代を賢くサバイブする方法なのです。
構成/秋山純一郎(週刊SPA!編集部)
【深野康彦】
ファイナンシャルリサーチ代表。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。その後、1996年に独立し、現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴35年(2024年10月現在)を誇り、そのキャリアを通じて日本経済の浮沈を見守ってきた。メディア出演やセミナーを通じて、資産運用や住宅ローン、生命保険、税金、年金など幅広く「お金の知識」を発信している
―[短期集中連載 知らないと損する「金利」最新事情]―
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