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「あおり運転をしてきた60代男性」を反射的に“殴ってしまった”男性の後悔。“加害者”として「懲役3年、執行猶予5年」に

日刊SPA! / 2025年1月28日 8時52分

◆取り調べで「相手の人は命が危ないかもしれない」と…

「相手が起き上がって襲ってくるかもしれない」と思い、即座に軽トラに乗って、少し離れた自分の畑にエスケープ。いつものように仕事をしはじめるつもりだったが、とても集中できるような精神状態ではなかった。

「畑をウロウロしながら何があったのか整理しようと思いました。『人を殺したかもしれない』わけで、頭が真っ白になりました」

妻に電話で事の次第を説明し、その後出頭した。警察署に着くと、すぐに取り調べが始まり、「思っているより重傷かもしれない」と聞かされた。

「取り調べ中に、傷病名がいくつも並んだ書類を見せられました。頭蓋骨骨折や、脳挫傷、くも膜下出血など、7~8項目並んでいて……。さらに刑事に『相手の人は命が危ないかもしれない。予断を許さない状況です』と告げられました。『こんな大怪我を負わせてしまっていたとは……』といたたまれない気持ちになりました。そして、『相手が重体なので、あなたを逮捕します』と……」

◆刑事が納得する答えを言うまで問答が続く

山中さんは、傷害事件の被疑者として22日間身柄を拘束される。取り調べは、出頭した当日から始まり、警察と検察で計7回行われた。担当した刑事は眼光鋭く、顔を斜めに向け、まるで心の中をのぞき込むかのように見つめてきた。

「取り調べは過酷でした。相手に向かって行った理由を聞かれたときに、『車を傷づけられる恐れがあったので、相手を車に近づけたくなかった』と言っても、『いや、そうじゃないはずだ』と言い返され。

結局、『怒っていたから(向かっていきました)』と答えるまで、何度もやり取りが続きました。正直に答えたつもりでも、刑事が納得する答えを言うまで問答が続いたことはほかにもあります。

取り調べの最後には、必ず『反省していますか?』と尋ねられるのですが、これも結構苦痛でした。どんどん自分が一方的に悪かったのだという気持ちになるのです。『人を殺してしまったかもしれない』と思い込んでいたので、バイアスがかかっていたのかもしれません」

初日の取り調べは朝の9時から始まり、真っ暗になるまで続いた。昼食はなく、夜になって出されたのは小さなコンビニ弁当だけだった。

「これがドラマで見た『刑事の締め上げ』かと思いました」

◆相手が怒鳴っていた音声が消えていた?

取り調べが行われる前に当事者双方のドラレコの映像を確認した。相手は、クラクションを鳴らされたあとに、「なんだ!この野郎!!」と車内で怒鳴り、急ハンドルを切って右折。そして「止まれコラ!」「降りてこいコラ!」と怒鳴りながら近づいてきた。停車後、「オラァ!動くんじゃねぇ!降りろ、この野郎!!」と威嚇していた。とはいえ、手を出したのは山中さんだ。

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