【広岡達朗】日本の優秀な選手が、毎年ポスティングで“メジャーに引き抜かれる”現状は我慢ができない
日刊SPA! / 2025年2月1日 15時54分
ドジャース・佐々木朗希入団会見 ©産経新聞
イチロー(マリナーズ)に始まって松坂大輔(レッドソックス)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)、大谷翔平(エンゼルス)に続き、2021年には鈴木誠也(カブス)、2022年には吉田正尚(レッドソックス)、2023年には山本由伸(ドジャース)と今永昇太(カブス)、今年に入って佐々木朗希(ドジャース)が海を渡った。(※本記事は、広岡達朗著『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』(朝日新聞出版)より抜粋したものです)
◆年俸バブルで自分の力を過信するな
あらためて言うまでもなく、いずれも日本プロ野球でそうそうたる実績を残している看板選手だが、最近の移籍にあたって、大リーグのFAやトレードの天文学的年俸バブルは異常としか言いようがない。そしてこのバブルは、日本を脱出する選手たちの契約条件にそのまま反映されている。
たしかにDeNAの左腕・今永は最近力をつけて成長している実力者で、前年は7勝4敗の防御率2・80で最多奪三振のタイトルもとった。しかし日本での最終年俸は1億4000万円。それがカブスでは4年総額78億4000万円、年俸19億6000万円だという。
また、高卒11年目で29歳の松井は、楽天で年俸2億5000万円だったのが、海外FAでパドレス入りして7億8000万円になった。
◆藤浪の「年俸5億円」には驚いた
そして最後に驚いたのは、2024年2月、メジャーリーグ公式サイトが伝えた藤浪晋太郎投手のメッツ入団のニュースだった。AP通信によると、オリオールズからFAになっていた藤浪の契約は年俸335万ドル(約5億円)の1年契約で、登板数に応じて最大85万ドルの出来高がつき、35試合で10万ドル、40、55、60試合に達したら25万ドルずつ上積みされるという。
藤浪は2023年、阪神からポスティングシステムでアスレチックスに移籍し、160キロ超の速球で先発として開幕を迎えたが、阪神時代から課題だった制球難で不振が続き、7月にはオリオールズにトレードされた。両チームで計64試合に登板したが、7勝8敗、防御率7・18だった。阪神で4900万円の投手が、なぜ年俸5億円で評価されるのか。
案の定、藤浪は2024年7月、メジャーやマイナーチーム4球団を渡り歩いた末に戦力外になった。日本一の速球に魅了された大リーグも、あまりの制球難に愛想をつかせたのだ。
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