「23歳と29歳の時、突然クビに」2社を不当解雇で訴えた男性。総額4700万円の和解金を勝ち取れたワケ
日刊SPA! / 2025年2月5日 8時53分
会社に巣食う問題社員によって同僚は疲弊し、職場は大混乱。時には退職者まで出し、業績を悪化させる。凶悪な野生生物さながらの「危険社員」の生態に迫った!
◆真面目に働いていたのに…
同僚の迷惑を顧みず、職場を混乱に陥れる危険社員をこれまで見てきたが、真面目に働いていても「危険社員」扱いされることもある。
ライターの佐藤大輝氏は23歳と29歳の時、勤務先の会社から突然クビを言い渡された。それぞれの会社を不当解雇で提訴。約2年間に及ぶ法廷闘争の末、総額4700万円の和解金を勝ち取ったが、裁判や法廷戦略をネット媒体に寄稿すると、「当たり屋」「ヤクザと一緒」などと激しい批判に晒されたのだ。
「僕は権利を行使しただけです。当時、解雇を認めると職歴に傷がつき、一生ついて回るのが怖かった。労働局に相談したり手を尽くしたけれど、会社は解雇を撤回しない。なので、仕方なく提訴して、解雇撤回と復職を訴えました」
◆多額の和解金を得られたワケ
裁判では佐藤氏の主張が認められたが、なぜこれほど多額の和解金を得られたのか。
「最後まで復職を求めたので、主張が認められれば裁判中も僕は会社に在籍していたことになる。その間の賃金を請求できるので、会社が労働者に辞めてほしい場合、裁判が長期化するほど支払い金額は高額になる。もちろん会社からすると僕は“危険社員”だから戻ってほしくない。
復職したかったのは本心ですが、賠償金を支払うなら円満退社すると主張しました。ただ、感情的になり、強気に出てしまったかもしれない」
◆危険社員を懲戒解雇してはいけない理由
佐藤氏と似た手口で会社からカネをせしめる危険社員もいる今、同調する同僚も現れかねない。企業側はどう迎え撃つべきか。労働法務専門の向井蘭弁護士はこう話す。
「まず、訴訟リスクを孕む懲戒解雇はもちろん、解雇は避けるべき。日本の労働法は戦前の工場法が前身で、厳格といわれる解雇規制もこれまで積み上げてきた判例によって法律となった。だから、法そのものは曖昧なのです。不当解雇で訴えられた場合、裁判官は弱者に優しい人が多く、解雇有効の判決を書きたくないようにも映ります。
さらに、判決は裁判官のキャラクターに左右され、ギャンブル要素を含む。仮に職場復帰を強く求める事例で負けたら、多額の解決金が必要になります」
◆“円満退社”を得策だと思ってもらう
難問を解くヒントは危険社員の特徴にある。
「認知がズレている人が少なくなく、彼らには彼らなりの正義がある。会社側の正義を振りかざしても、宗教論争のように交わることはない。客観的事実を示し、自分に非があることを理解してもらうべく、日報を提出させ、面談を続ける。内容を当人にメールで送っておけば、裁判になっても客観的証拠や会社側が誠実に対応した証しになる」
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