1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

値上がり続く私立中学の学習費は467万円。“公立中学の3倍かかる”中学受験は「コスパが悪い」のか

日刊SPA! / 2025年2月9日 15時52分

値上がり続く私立中学の学習費は467万円。“公立中学の3倍かかる”中学受験は「コスパが悪い」のか

※画像はイメージです

―[貧困東大生・布施川天馬]―

 みなさんが、自分の子どもを行かせるなら、公立中学校でしょうか、それとも私立中学校でしょうか。
 私立派は「良い環境を目指したい」「受験まで視野に入れたい」とする一方で公立派は「中学受験にお金がかけられない」「公立中学校で多様な人間関係を築いてほしい」などの意見が目立ちます。

 私自身も中学受験をしていますが、その理由は「地元の公立中学が荒れていたから」でした。つまり「良い環境を目指したい」に含まれる。

 一方で、小中を私立で過ごすと、良い意味でも悪い意味でも多様な価値観を持った人との暮らしを知らずに育ってしまう危険性があります。私自身も、勉強が退屈だったりいじめられたりしましたが、公立小学校で過ごした6年を貴重だと考えています。

 私立中学は中高一貫校が多く、高校受験をスキップできるのも利点です。公立中に通っても高校受験対策で塾に通えば、結局出費はかさむ。総合的に見れば、私立中高一貫校に入れたほうが、コスパはいいかもしれないのです。今回は、中学受験のコスパを考えます。

◆公立中学と私立中学の違い

 文部科学省が2023年度に発表した「子供の学習費調査」によれば、私立中の授業料など学習費総額は3年間で467万円でした。2012年度では388万円だったのが約80万円増加している形。物価上昇に伴って、学習費も値上がりしています。

 公立中学校であれば、150~160万円程度で済むことを鑑みれば、私立中学校は公立中学校の約3倍程度お金がかかる。ですが、公立は高校受験対策の通塾にかかる出費も考えなくてはいけません。

 通塾費用を、3年間で100万円程度かかるとすれば、高校受験の負担がかかるにせよ、公立中通いのほうが、総合的な金額は低そうです。
 
 ただし、中学受験ルートならば高校受験をしなくてよい利点があります。高校受験には内申書に記載される点数である「内申点」が大きく影響します。

 そして、これはペーパーテストの点数だけではなく、課題の提出状況や授業態度などの平常点も加味されるため、「お勉強ができる」だけでは高得点が狙えません。

◆子供の特性によって“コスパの良さ”は変わってくる

 認知能力の発達が早く、コミュニケーション能力などの発達が相対的にやや遅いような子の場合には、中学受験をした方が、総合的に有利な進学先を得られる場合があります。つまり、ペーパーテストで突破できる中学受験で高校までを決めてしまう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください