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値上がり続く私立中学の学習費は467万円。“公立中学の3倍かかる”中学受験は「コスパが悪い」のか

日刊SPA! / 2025年2月9日 15時52分

 そのためには追加出費で少なくとも300万円がかかりますが、高校受験での苦労を帳消しにできるのであれば、安いと考える人もいるでしょう。

 ただし、中学受験の場合には失敗リスクも考えなくてはなりません。多くの地域で少数派となる中学受験者は、実質的に地元の公立中学への進学の道が閉ざされがちです。

 多少偏差値が落ちる滑り止めの中学しか受からなくても、「中学受験に失敗した」というレッテルを貼られることを避けるために、世間体を考えて入学を余儀なくされるケースも想定される。その場合には、結局高校受験をする羽目になるかもしれない。

 大学受験の志望校は、ある程度進学先の高校に左右されます。クラスの大半が東大を志望し、毎年数十人の東大合格者が出るような学校ならば、「東大に行く」と言いやすい。数年~十数年に一度しか東大合格者が出ないような学校で「東大に行く」とは、なかなか言い出せません。

 東大合格者が続出する学校が、なぜ毎年安定して東大生を輩出できるかと言えば、毎年安定して東大合格者が出ているからなのです。

 そのため、大学受験を見据えて高偏差値の高校を選ぶのは、選択的に間違っていません。ただ、それが中学進学時から始めるかは、子ども一人一人の発達具合や意向によるでしょう。

 私が見渡した少ない例の限りでは、中学受験で成功しているタイプは例外なく「頭が良すぎて小学校で浮いてしまう」ような子でした。少なくとも、学校の勉強で難儀するようなレベルの子が踏み込む世界ではないのです。

◆中学受験に求められる覚悟

 まとめると、コスパを考えるならば、やはり公立進学が一番です。ただ、高校受験するならば「先生の言うことに従える子」もしくは「空気を読める子」である必要がある。

 思春期の子どもたちに、社会的な立場を気にした校内政治を期待するのは難しいでしょう。これを嫌うならば、追加出費で中学受験を狙う道もある。

 ただし、こちらはそもそも超上澄みの勉強エリートしか生き残れない世界なので、勉強面で自信がないのであれば、おとなしく公立校へ進学するべきといえるでしょう。

 それに、せっかく受験するのは高校受験をカットするためですから、それなりの名門校に合格したい。そのためには、当然上澄みたちを押しのけて合格を勝ち取る必要がある。当然要求される勉強量は加速度的に増加します。

 朝起きてから夜寝るまで、一切息抜きせず勉強し続ける生活に抵抗があるならば、中学受験はお勧めできません。もちろん、親も朝は早起きし、夜は遅くまで起きて子どもの勉強をサポートし続ける体制が要求されるため、親の覚悟も問われます。

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