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プロ野球今季平均試合時間7分短縮 試合スピードアップ作戦効果アリ!も…現場の声は?

スポニチアネックス / 2024年4月27日 6時3分

西武の2月の紅白戦でベンチ横に設置されたタイマー

 スピードアップを掲げるプロ野球は、25日までの今季平均試合時間(9回試合のみ)が3時間と昨季から7分の短縮に成功している。今季から、前の打者の打席が終わってから次の打者が構えるまでの「打者交代30秒以内」を徹底。登場曲の演奏時間も10秒以内に制限された。選手はどう感じているのか、現場の声を取材した。(プロ野球取材班)

 「打者交代」の昨季平均は36・9秒。NPBの昨年のデータでは「30秒以内」を順守すれば約6分20秒の試合短縮になるとしていたが、25日時点で7分もの短縮に成功した。罰則はないが、「打者交代30秒以内」を打者はどう感じているのか。感想は「影響がない」が大半だった。

 巨人・松原は開幕前は、小走りで打席に入っていた。「準備が差し込まれるのが嫌だから、早めに打席に行くようにしてみた」と振り返る。昨年までのルーティンを削らずに準備するためだ。だが「思ったより影響はなかったから普通にした」と、開幕後は歩いて打席に向かっている。

 ソフトバンク・山川も「僕は打席に入るの早い方なので、気にならない」と語り、中日・中田も「意識してない。しっかり準備した上で打席に立つ」と感想を口にした。ロッテ・山口も「全然影響はない。ルーティンも変わらない」と言う。

 西武は2月の紅白戦でベンチ横にタイマーを設置し、30秒からカウントダウンした。平石ヘッドコーチは「今までは前のバッターがアウトになってからゆっくりスプレーを振ってとか何でもありだった。それを早めれば30秒あれば全然いける」とルーティンに影響がないことを確認。各打者のペースに任せた。

 一方で、攻守交代時に審判員から打席に早く入るよう促されることに、ヤクルト・中村が「配慮してほしい」と求めた。捕手は防具を外すなど準備に時間がかかる。「小走りで入ったり、(素振りの)スイングをしないまま打席に入ることもある。柔軟に対応してほしい」と願った。

 「登場曲10秒以内」からスピーディーな試合展開を実感する選手が多かった。巨人・菅野は「打者がアウトになったらすぐに登場曲がかかっていた」と今季初登板後に話した。西武・古賀は捕手として、相手打者が次々目の前で入れ替わり「登場曲が短いなーと感じている。試合終了の時間が早い」と語る。

 ただ、登場曲の時間制限については開幕直後から否定的な意見が上がった。尻切れのようになる演奏を疑問視する選手が多くいた。

 ヤクルト・西川は「早いですね。登場曲が10秒って短い。寂しい。僕は曲で気持ちが上がるので。打席に入る前に曲が終わっちゃっている」と残念がった。曲に合わせて打席に入るリズムをつくるわけではないが、心理面で変化があるという。

 楽天・田中和は打撃には影響ないとした上で「登場曲はお客さんの楽しみでもあると思う。少し寂しいと感じるお客さんもいるかもしれない」とファン目線で感想。日本ハム・細川は「登場曲が定着してる人は変な感じになるかも」と選手側の感じ方を口にした。

 10秒以内が徹底されていなかった昨年までは「ここからここまで流してほしい」と演奏箇所を伝えていた選手もいた。ある選手は「10秒しかないんだったらもう僕は流さなくてもいい」と球団に伝えたほどこだわりを持つ例もあった。

 ▼巨人・萩尾(打撃に)影響はないです。ただ、少し寂しいなというのはある。

 ▼西武・外崎(登場曲が途中で途切れるのは)まあ、しょうがないかな…と。

 ▼日本ハム・松本剛 特に気にならないです。

 ≪テンポアップ「ありがたい」 駆け引き&疲労回復できず≫【投手の声】「打者交代30秒以内」について投手はどう感じているのか。西武・隅田は打者に合わせず自身のペースでテンポ良く投げ込むことを意識していて「打席に入るのが遅い選手がいたので、早く入ってくれるとありがたい」と受け止める。ある選手は「中継ぎの人は面倒くさいんじゃないですか」と分析。中継ぎは“間”を使って打者と駆け引きすることが多いからだ。打者交代の時間を使って疲労回復を図る投手もいる。通算194セーブの西武・増田は「まだ気にはならない。徐々に、これからじゃないですか」と語った。シーズン佳境でどう影響するか注目したい。

 ≪アカペラで補い「楽しい」 声とかぶり「せわしない」≫【ファンの声】ファンは賛否両論だった。巨人・大城卓は昨年まで「あとひとつ(FUNKY MONKEY BABYS)」のサビ部分を30秒近く流していた。今季は途切れた後半部分をスタンドのファンがアカペラで「♪あの空へー」と大合唱している。20代女性は「みんなで盛り上がれるので、これはこれで新しくて、楽しい」と笑顔。一方で、30代男性は「ヒットやホームランの後にファンがコールをしている最中でも、次の登場曲が流れて声とかぶってしまう。せわしない」と残念そう。「他に削るところがあるのでは」という声もあった。

 ▽「打者交代30秒以内」 昨年11月のオーナー会議で徹底することを決めた。明文化された規定ではないが、従来からの運営目安として存在していた。罰則は設けず、昨季平均の36・9秒から短縮を図る。NPBの昨年のデータでは打者間30秒を順守すれば約6分20秒の試合短縮になる。榊原定征コミッショナーは3日時点で「だいぶ感じが違う。キビキビしている感じがする」と評価していた。

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