唐十郎さん 12年に自宅で転倒 「それ以来役者に戻ることは…芝居見るのが好きな人」劇団座長代行明かす
スポニチアネックス / 2024年5月5日 11時21分
アングラ演劇の旗手として活躍した劇作家の唐十郎(から・じゅうろう、本名大鶴義英=おおつる・よしひで)さんが4日、東京都中野区の病院で死去した。唐さんが主宰する「劇団唐組」が5日、発表した。84歳だった。訃報を受け、劇団の座長代行・久保井研氏が5日午前、都内で会見を行い、近年の様子を明かした。
久保井氏は唐さんの近年の様子について「2012年、座長は先頭突っ走って、作・演出、役者していたが自宅で転倒。それ以来役者に戻ることはかなわなかったが、しっかり留守番しなければという思いで引き継ぎました」と説明。「劇中歌を口ずさんだり、カーテンコールで舞台に呼んだ時も自分の芝居見て、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている唐さんを何度も見ました。これまで12年やってきました。芝居を見るのが本当に好きな人でした」と明かした。
赤テント公演で表舞台に立ったのは「2012年5月半ばまで」だといい、演目は「海星(ひとで)」だったという。
劇団は「5月4日21時01分に(右)急性硬膜下血腫で永眠致しました」と発表。1日午前中に自宅で転倒し、中野区内の病院に緊急搬送されたという。
唐さんは、1940年(昭15)2月11日生まれ、東京・下谷万年町出身。明大文学部演劇学科卒。63年に「シチュエーションの会」(64年に劇団「状況劇場」に改名)を結成し、67年、新宿花園神社で“紅テント”公演を行う一方、根津甚八、小林薫、佐野史郎ら多くの俳優を輩出した。
86年の公演を最後に状況劇場を解散。88年に唐座をつくり、3月東京・浅草に巨大テントでつくった“下町唐座”を完成させた。
劇作家として70年に「少女仮面」で岸田戯曲賞を受賞。小説家としても78年に「海星・河童」で泉鏡花文学賞、83年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞した。横浜国立大や母校・明治大で教壇にも立った。
2021年に文化功労者。67年に李礼仙(李麗仙)さんと結婚するが、86年4月離婚。俳優の大鶴義丹は長男。
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