尚弥、東京Dに4万人超!日本史上最大の一戦を前に殺気「駆け引き始まっている」
スポニチアネックス / 2024年5月6日 5時32分
◇プロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ 井上尚弥<12回戦>ルイス・ネリ(2024年5月6日 東京ドーム)
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)がきょう6日、元世界王者の“悪童”ルイス・ネリ(29=メキシコ)を挑戦者に迎えて日本史上最大のビッグマッチに臨む。東京ドームでのボクシング興行は元世界ヘビー級統一王者のマイク・タイソンが1988年と90年に2度メインを務めて以来34年ぶりで、日本人のメインは初。4万人を超える集客が見込まれる。5日に行われた前日計量はともに一発でクリアした。14年4月に初めて世界王座に就いてから10年。4階級を制し、史上2人目となる2階級での4団体王座統一も果たした「モンスター」の歴史的一戦のゴングがいよいよ鳴る。
リミットを100グラム下回る55・2キロで一発パスした計量後のフェースオフ。井上尚はこめかみに筋を浮かべながらネリをにらみつけた。関係者に制止されるまで約20秒間、視線を外さず。両者の顔は約1センチの距離まで縮まった。
「もう明日やるだけなんで。ここからそういう駆け引きは始まっている」。
前日の会見では笑みを浮かべ、ネリと握手を交わしたが、この日笑顔は一切なし。リング上さながらの殺気を放ち、早くも戦闘モード。大橋秀行会長が「怖かった。気合が入っているのだと思う」と漏らすほどのオーラだった。
体重超過の心配があったネリは、意外にも500グラムアンダーで余裕のクリア。ネリが調整失敗した時の対策としてリザーバー(代役)まで用意されたが、試合は無事に成立することになった。井上尚は「さすがにこのビッグイベント。ネリも過去最高のファイトマネーをもらうだろうし、そこに対しての心配はなかった」と淡々と語った。
スーパーバンタム級3戦目。転級後も持ち前のパワーは落ちることなく2連続KO勝利中。「コンディションはいつもながらバッチリ。もう3回目だし何となくつかんできた。これまでもリング上での支障は全くなかった」。減量の影響からやや頬はこけていたが、心身共に万全を強調した。
4万人超の観客を見込む興行で、チケットは残り約400枚。当日券も売り切れる見込みの超ビッグイベント。「背負うものがある人間と、そうでない人間の差はないと思う。そこが試合に出ることは全くない」。「モンスター」と、4本のベルトを本気で奪いに来た「パンテラ(=黒ヒョウ)」がいよいよ激突する。(伊東 慶久)
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