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落合博満氏が予見するパ首位・ソフトバンク チーム打率両リーグトップも「独走するとは言い切れない」

スポニチアネックス / 2024年6月4日 5時33分

ソフトバンク・近藤

 【オレ流慧眼】元中日監督の落合博満氏(70)が注目の選手、カードなどを独自の目線でひもとく「オレ流慧眼」の第3回は、パ・リーグの首位を快走するソフトバンクをオレ流で掘り下げた。12球団トップのチーム打率を誇り、強さの象徴となっている強力打線に着目。必ずしも「凄さ」は感じないとしたソフトバンク打線の表と裏に迫り、残り4カ月余りのペナントレースで「このまま独走するとは言い切れない」と予見した。(取材・構成=秋村 誠人)

 ここまでのチーム打率や勝率にとらわれがちだが、今のソフトバンク打線には「凄く打っている打者ばかり」というような印象はない。チーム打率は両リーグで全体的に低く、唯一の2割5分台が突出しているように見えるだけで、そこまで怖がる打線ではないと感じている。

 開幕から2カ月余りで50試合。ここまでを振り返ると、各打者が打てる高さのボールをしっかり打ちにいっているということ。加えて初球からどんどん打ちにいく。その上で主軸打者はボール球に手を出さない。それがいい結果につながっているんだと思う。

 ◆今季のソフトバンク打線 チーム打率は12球団唯一の2割5分台(.256)で、総得点も12球団唯一の200点台(213得点)。リーグの個人成績でも近藤は打率2位、打点3位、出塁率トップ、山川は本塁打、打点ともにトップ、柳田は打率3位、打点2位、出塁率3位、栗原も打点4位につけており、打点部門は4位までソフトバンク勢が名を連ねている。また、周東は盗塁トップだ。

 対戦する投手からすると、初球から打ちに来るところへ簡単にストライクを取りにいって打たれている。そこを気をつけないといけないのだが、打たれているのは真ん中に近いコースだ。いかにボール球を振らせ、投手有利に持っていくか。

 ところが、低めのボール球を我慢され、四球を嫌がって少しずつコースが高めに行ってしまい、それを待ち構えて打たれている。ただ、コースをしっかり攻めたらそう簡単に打たれるものではない。

 いい例がある。5月30日の巨人戦。巨人の先発・高橋礼に対して低めのシンカーを我慢して甘いコースを打って攻略した。それが4回から7回までは、代わった左腕・井上に内角をしっかり攻められて抑えられた。

 ◆5月30日の巨人―ソフトバンク戦 2回に1番・柳町の2点打など5安打を集めて4点を奪い、3回にも8番・甲斐の適時打で加点。下手投げの高橋礼をKOした。一方、4回から2番手の左腕・井上に7回まで打者12人を完全に抑え込まれ、5―6で逆転負けした。

 打線は水もの、とよく言われる。要は投手がしっかり投げるべきコースに投げられるかどうか。そこが投手と打者との駆け引き。打者の打ち気がないとみれば真ん中に投げればいいし、初球から打ちに来ているならボールから入るとか。攻め方一つで結果は大きく変わってくる。

 どんなに強力な打線にも、どれほどの強打者にも必ずウイークポイントは存在する。それをちゃんと頭に入れ、丁寧に攻めることが重要。ただ、漠然と投げていては結果はついてこない。

 チームの勝率.688という数字に目を奪われるが、ここまで勝っているのは投手力によるところがかなり大きい。チーム防御率は12球団トップの2.00だ。今後は打線に多少の浮き沈みも出てくるだろう。全員の調子が一緒に落ちることはないと思うが、各打者が徐々に落ちてくることはある。その時重要になるのが「打てるボールを確実に打つ」「ボール球をしっかり見逃す」という原点に立ち返ることだ。

 ◆今季のソフトバンク 開幕から連敗が4度(最多は3連敗)しかなく、4連勝、5連勝、6連勝、7連勝がそれぞれ1度ずつ。最多貯金は5月23日の19。3日現在、貯金18で2位・ロッテに5ゲーム差の首位。

 現在、首位を走るソフトバンクだが、ここからさらに独走していくとは言い切れないだろう。ペナントレースはまだ4カ月余りも残っているし、順位やゲーム差を語る時期でもない。ただ、追いかけてくるチームは必ず出てくる。オールスターまでに10ゲーム以上離されたチームが逆転優勝した例は過去にいくらでもある。パ・リーグはこの先、どうなるか読めないということだけは確かだ。

 ≪首位快走も不安な柳田長期離脱≫開幕から不動の3番として打線をけん引してきた柳田は、長期離脱を余儀なくされた。5月31日広島戦の3回に二ゴロを打った直後に右太腿裏を負傷。1日に佐賀市内の病院で精密検査を受けた結果、「右半腱様筋損傷」と診断された。全治には約4カ月を要する見込みで、レギュラーシーズン中の復帰は難しい状況。首位を快走するとはいえ不安要素の一つとなった。

 ≪11年はオレ竜が 10差以上を逆転した例は過去いくらでもある≫10ゲーム差以上の大差を逆転して優勝したケースはこれまで8度。そのうち、最大差の逆転Vは63年西鉄の14.5ゲーム差(首位南海)だ。8月以降に2桁ゲーム差をつけられながら逆転したケースは1度だけあり、落合監督が率いた11年の中日。8月3日の時点で首位ヤクルトに10ゲーム差をつけられていたが、以降を.691の高勝率で逆転優勝した。

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