【蹴トピ】“未来のヒデ”誕生をアシスト! 元Jリーガー斎藤陽介氏のセカンドキャリアに迫る
スポニチアネックス / 2024年10月30日 6時3分
今やスマートフォンやタブレットで視聴するのが当たり前となった海外サッカー配信で、中継ディレクターとして活躍する元Jリーガーがいる。J1横浜出身で、ストライカーとして日本を含む計7カ国でプレーした斎藤陽介氏(36)だ。18年6月の現役引退後にスポーツ中継の映像制作を手がける「EASY PRODUCTION株式会社」に入社。そんな斎藤氏のセカンドキャリアに迫った。 (取材・構成 垣内 一之)
多数の中継ブースも構える東京・北青山にある「EASY PRODUCTION」本社。笑顔で迎えてくれた斎藤氏は、眠そうな目をこすりながらも「30歳で引退してから約6年。本当にあっという間で、それくらい熱中できるものに合えて良かったなと心から思っています」と充実した表情で語った。
入社のきっかけは、現役時代から親交があった同社社長からの誘いだった。
「海外移籍した時もそうですけど、自分は直感で行動するタイプ。“30歳までは海外で外国人ストライカーとして頑張る”という目標を立てていた。プレーした全ての国で得点して、次どうしようかといろんな方に相談している中、今の社長と話をして、スポーツ全般に関わる仕事をしていくのも面白いかなと思って直感で決めました。当時はエストニアでプレーしていたのですが、契約を解除して帰国しましたからね(笑い)」
「EASY PRODUCTION」は17年に創設。18年からはプロ野球の2軍戦の制作・中継をスタートさせ、事業拡大とともに、斎藤氏もさまざまな役割をこなしてきた。
「海外事業も請け負うようになって、カンボジアリーグの中継担当もやりました。カンボジアは当時、中継は各節1試合のみでしたが、僕らの機材を導入して環境を整え、僕の指示で映像にグラフィックなども挿入したりしました。今は全試合中継するようになって、観客も視聴者数も以前とは見違えるほど変わり、頑張って良かったなと思います」
同社はスマートプロダクションシステムを自社で開発することにより、少人数による中継体制を実現。制作費の大幅削減により映像制作の国内シェア拡大につなげている。今季からはサッカー世界最高峰リーグの中継・制作も担当。斎藤氏も専門分野で活躍を広げている。
「現地映像の場合はそこまでの準備はないのですが、自分たちが現場で作るとなると資料作り、あとは番組の構成ですね。選手情報も事前に入れないといけないし、機材もゼロから組み立てて、問題ないかチェックしたり、意外とやることは多いです。海外サッカーは試合数が多い週末は大変です。夕方から朝の6~7時まで会社に缶詰め状態。日本にいながら時差ぼけみたいな感じになります(笑い)」
そんな多忙な日々を過ごす斎藤氏は現役時代、計7カ国でプレー。その経験が今の仕事にも十分に生かされているという。
「環境が違ういろんな国でプレーして備わった対応力が、今の自分の強みになっていると思います。型にはまった仕事ではないので、いろんなスポーツに携わっている中で、海外の経験が生きて、凄く柔軟に対応できている。それこそ最初はパソコンもたいして使えなかったですが、数をこなしながら、細かい機材の仕組み、中継業務をこなしています」
今季からは独自のプラットフォームを立ち上げ、ドイツ2部や松木玖生が所属するトルコ1部など日本人がプレーする海外リーグの試合配信も開始した。
「自分も10代の頃、海外サッカーを見て、中田英寿さんに憧れて、夢を抱いて、海を渡った。今は自分が映像を提供する立場。“将来、海外でプレーしたい”と思っている子供たちを少しでも手助けできれば。そういった仕事に関われるのは凄くやりがいを感じています」
斎藤氏が携わった海外サッカー映像を見た子供たちの中から、数年後に海外で活躍する選手が出現する――。斎藤氏にとってもこんなうれしいことはないだろう。
◇斎藤 陽介(さいとう・ようすけ)1988年(昭63)4月7日生まれ、東京都世田谷区出身の36歳。本職はFW。横浜ユース出身で07年トップ昇格。10年に金沢(当時JFL)に期限付き移籍し、11年に新潟シンガポールに完全移籍。その後はラトビア、ロシア、ベラルーシ、オーストラリア、エストニアでプレーし18年6月に引退。引退後は「EASY PRODUCTION株式会社」に入社し、現在に至る。
▽イージースポーツ2 「EASY PRODUCTION株式会社」が展開するスポーツ専門の定額制動画配信サービス。24年8月からは海外サッカーに特化したサービスを開始。オーストリア1部、ドイツ2部、トルコ1部、韓国Kリーグ、ポルトガルカップ戦など日本人所属クラブを中心に配信している。同社アドレス(https://easysports2.stores.play.jp/)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
元日本代表DF安田理大氏「練習の中でも海外の選手に通用するぐらい…」 U19日本代表FWに期待
スポニチアネックス / 2024年10月29日 17時2分
-
突如やってくる「0円提示」 給与の仕組みや契約…元Jリーガーが語る“お金事情”【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年10月26日 7時20分
-
まだ21歳なのに「質が違いました」 元Jリーガーが衝撃受けた未来の日本代表選手【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年10月24日 6時50分
-
本田圭佑がブータンでトップリーグ10カ国目の得点記録=中国ネット「11カ国目は中国で」
Record China / 2024年10月21日 18時0分
-
妻に電話で弱音「もう辞めたい」 異色の転身遂げたJリーガー…無縁の業種で生きる武器【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年10月21日 7時20分
ランキング
-
1大谷翔平 名門対決制し米7年目で悲願の世界一!最大5点差はね返し大逆転勝利 左肩亜脱臼も献身プレー
スポニチアネックス / 2024年10月31日 12時53分
-
2ヤンキース、15年ぶり世界一ならず ブーン監督「痛みは永遠に消えない。心が張り裂けそう」
スポニチアネックス / 2024年10月31日 14時22分
-
3ド軍に“ヤ軍主砲強奪計画”浮上で佐々木朗希争奪戦ますます激化!フリードマン編成部長は話が及ぶと激怒
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月31日 11時32分
-
4《元横綱・白鵬の苦境》旧・宮城野部屋の九州場所宿舎が取り壊され更地に 期限なき閉鎖で後援会は休止状態「再結成できるかも不透明」な理由
NEWSポストセブン / 2024年10月31日 11時15分
-
5大谷翔平「感謝しかない」「支えてもらった」 真美子夫人と結婚1年目、米7年目で初の世界一
スポーツ報知 / 2024年10月31日 14時23分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください