ドジャース・大谷の超ポジティブ思考 PSでさらに磨き 日本ハム時代から変わらぬ“心構え”
スポニチアネックス / 2024年10月30日 1時32分
◇ワールドシリーズ第3戦 ドジャース4ー2ヤンキース (2024年10月28日 ニューヨーク)
【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月から大谷を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回は試合後の会見で感じたドジャース・大谷の“心構え”をレポートした。
日米合わせて100人以上のメディアが集結した試合後の記者会見。最後の質問者に指名され、「打撃と走塁はどちらの動きが左肩に痛み、違和感を覚えるか」と質問すると、大谷は自らに言い聞かせるように答えた。
「試合の中ではもう痛い、痛くないというのは考えていない。“痛くない”という気持ちでやっている」
最後の“痛くない”で大谷とバッチリ目が合い、察した。今はポジティブな気持ちで戦っている最中。それ以上、痛みについて聞かないでほしい、というメッセージだと受け止めた。
メジャー7年目で初のポストシーズン(PS)で似た場面があった。1勝2敗で終戦まで後がなくなったパドレスとの地区シリーズ第3戦後に「後がないという感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればOKというゲーム」と語った。極端かつシンプルな思考法に報道陣も「そりゃそうだけど…」と戸惑ったが、結果は宣言通り2連勝。日本ハム時代から前向きだった言葉が、今回のPSでは磨きがかかっている。
左肩負傷を抱えての強行出場。痛くないわけがない。ただ、痛いと思いながらプレーを続けても、何も良いことは生まれない。言葉だけでも、気持ちだけでも前向きになり、勝利に貢献した大谷の言葉には力が宿る。
ただ一つ。メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦前日に「健康な状態で明日も野球ができるというところに自分自身は喜びを感じている」とうれしそうに語っていた表情が忘れられない。世界一まであと1勝。大谷にもう一度フルスイングを――。
【大谷に聞く】
――左肩を負傷した際の状況は。
「どうなっているのか分からなかった。(ベンチ)裏に行ってから。最初はセーフだと思っていたので、ベースから離れていなかった。今は痛みも引いてきているので、自分のスイングに戻ってきている」
――左肩にサポーターを装着。
「(医師から)試合中もずっと温めて冷やさないようにすることが大事と言われていた。(走者の際に左手で胸元をつかむ動作は)スライディングをした時に、今の状態だと(左肩が)外れる場合が多いので、それを防ぐためにやっていた」
――チームメートに“出場できる”というメッセージを送った。
「出られるという気持ち。実際に検査を受けて処置をすれば出られる状況ということだった。チームの士気だけは下げたくない。フレディ(フリーマン)もだけど、ケガ人がいる中で、みんなが万全の状態で必ずしも出ているわけではない。その中で自分のできることをしっかりやれればいい」
――シーズン終了後に手術の可能性。
「そこまでの話は特にしていない。今季が全部終わった後に検査をしていい状態なのか、どうなのか。今の段階では問題ない」
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