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沖縄尚学が来春選抜へ前進 1年生左腕の末吉が2日がかり149球で鹿児島実を完封

スポニチアネックス / 2024年10月31日 6時3分

<沖縄尚学・鹿児島実>完封した沖縄尚学の末吉

 ◇高校野球秋季九州大会準々決勝 沖縄尚学5―0鹿児島実(29日から継続試合)(2024年10月30日 別大興産)

 準々決勝1試合が行われ、8回裏途中から再開した継続試合で沖縄尚学が鹿児島実を5―0で下し、4強入りを決めた。最速150キロ左腕の末吉良丞(りょうすけ、1年)が4安打完封。1回戦から2試合連続完投で来春選抜の出場に大きく前進した。きょう31日は休養日。あす11月1日の準決勝は柳ケ浦(大分)―エナジックスポーツ(沖縄)、西日本短大付(福岡)―沖縄尚学の顔合わせとなった。

 最後の打者を抑えて来春の選抜出場を引き寄せても表情一つ変えなかった。沖縄尚学の1年生エース・末吉はそれぐらい試合に入り込んでいた。2日がかりで149球を投げて完封し、「集中力を切らさず入れたのが良かった」と満足げに話した。

 今秋の沖縄大会で最速150キロを記録した期待の左腕。前日29日は雨の中で先発し、ピンチもあったが、8回まで粘り強く「0」を並べた。鹿児島実の1回戦の映像を見て「変化球にタイミングが合っていなかった」と分析し、スライダーを効果的に使った。打っても2本の適時打を放つ活躍。一夜明け「食当たりで…」と体調は万全ではなかったが、残る9回のマウンドを無失点に抑えた。

 沖縄尚学は99年の選抜で春夏通じて県勢初の甲子園優勝を果たした名門。末吉は左腕エースとして活躍した比嘉公也監督に憧れて同校の門を叩いた。U18日本代表で投手コーチの経験もある指揮官から「ピッチャーは力強さじゃなくてコントロール。コースに投げ分けないと試合はつくれない」と受けた教えを大事にしている。比嘉監督は「今は力を入れるところと、コントロール重視で投げるところの使い分けができつつある」と入学当初の力で押す投球からの成長を感じていた。

 秋の九州No・1まであと2勝。1年生ながら伝統校の背番号1を背負う左腕は「責任をしっかり持って勝利に導けるように」と自覚たっぷりに言った。 (杉浦 友樹)

 ◇末吉 良丞(すえよし・りょうすけ)2008年(平20)11月18日生まれ、沖縄県浦添市出身の15歳。小学2年から仲西小の軟式野球部で野球を始める。中学は仲西中の軟式野球部でプレー。沖縄尚学では1年夏からベンチ入り。1メートル75、85キロ。左投げ左打ち。

 ≪ソフトバンク・大野の弟、純之介は涙≫鹿児島実は16年以来の選抜出場が遠ざかった。ソフトバンク投手の大野稼頭央の弟・純之介(2年)が前日に続いて登板したが、継続試合が再開された8回にさらに2点を奪われるなど8回5失点(自責2)。エースは「抑えたかったけど力が…」と涙をこぼした。宮下正一監督は相手との力差を認めた上で前日に継続試合と判断したタイミングに触れ「あの場面かなと。もうちょっと早い段階であった」と無念さを口にした。

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