大谷翔平「最高の終わり方ができて最高の1年だった」涙なく笑顔!左肩亜脱臼も献身プレーで貢献
スポニチアネックス / 2024年10月31日 13時0分
◇ワールドシリーズ第5戦 ドジャース7ー6ヤンキース(2024年10月30日 ニューヨーク)
ドジャースの大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、敵地でのヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第5戦に「1番・DH」で先発出場。第2戦で二盗を試みた際に左肩を亜脱臼して左肩の状態が心配される中で無安打に終わったが、6―6の8回1死一、三塁では打撃妨害で出塁し、ムーキー・ベッツ外野手(32)の決勝犠飛をおぜん立て。最大5点のビハインドをはね返し、劇的な逆転勝利でメジャー移籍7年目、ドジャース移籍1年目で悲願の世界一に輝いた。
9回は第3戦先発のビューラーが抑えとして登板。3アウトを取ると、大谷は雄叫びを上げながらビューラーの方へダッシュし、ナインと歓喜の輪で喜びを分かち合った。その後は世界一を記念するTシャツと帽子に着替え、表彰式の壇上で満面の笑みを見せた。
試合後、中継したNHK―BSで解説を務めていた日本ハムの先輩にあたる田中賢介氏の取材に応じ「新しいチームに来て、最高の終わり方ができて最高の1年だったなと思います。(チームメートは)良い選手でもあり、いい人達でもあり、まとまった素晴らしいチームだなと思います。(日本ファンへ)シーズン中から遠いところ球場に応援に来てもらったり、声援が力になった。良い終わり方ができて最高のシーズンになったなと思います」と涙はなく、笑顔で振り返った。
試合後は今季4度目のシャンパンファイトで同僚の山本由伸らと大喜び。用意されたシャンパン96本、ビール180本があっという間に泡となり「最高以外の言葉がない。本当に素晴らしい1年だったなと思います。最後は格別のシャンパンファイト。先がないですし、存分に楽しみたいなと思います」と笑顔で話した。
その後の会見では真美子夫人と愛犬デコピンについても言及。「本当に感謝しかないですね。それは1年間長いシーズンですし、僕は慣れていますけど、シーズン戦っていくっていうのに。このぐらいのシーズン160試合プラスって慣れていますけど、彼女はそうでないので。本当にこれだけ長いシーズンを支えてもらって感謝していますし、来年以降、頑張っていきたいなと思います」と感謝を口にした。
この日はヤンキースのエース右腕コールとの対戦。第1打席は初球を狙うも打ち損じて中飛、第2打席は2ストライクから3球目の外角ボール球のチェンジアップを振らされて左飛に倒れた。しかし、スイングスピードはこの日の第1打席で85マイル(約136.7キロ)を記録。左肩亜脱臼後初戦となった第3戦は79.3マイル(約127.6キロ)、第4戦は83マイル(約133.5キロ)と徐々にスイングの最高速度が上がっており、スイングスピードでは状態が上向いていることを示している。
第3打席は0―5の5回1死満塁。大谷は積極的にスイングを仕掛けたが、カウント1―2から4球目のナックルカーブを振らされて空振り三振に倒れた。次打者ベッツの一塁へのゴロはバットの先で捉えた不規則な回転の打球。一塁のリゾは慎重に捕球するも、コールが一塁ベースカバーへ走っておらず、ドジャースはラッキーな形で1点を返した。さらに好調のフリーマンとT・ヘルナンデスがそれぞれ2点適時打を放ち、この回相手の2失策と相手の連係ミスにつけ込んで追いついた。
5―6で迎えた8回は連打と四球で無死満塁の好機。9番ラックスが犠飛を打ち上げて同点とすると、大谷は初球が打撃妨害となり、1死満塁でベッツにつないだ。ここでベッツが犠飛を打ち上げ、最大5点ビハインドの展開からついに逆転した。
大谷は第2戦の7回に左肩を亜脱臼。試合直後にニューヨークへ移動したチーム本隊とは別に精密検査を受けてからチームに合流した。心配するナインを安心させるため、大谷はチームのグループチャットに2020年のWS前にベリンジャー(現カブス)が右肩脱臼を抱えながら世界一に輝いたことを引き合いに出し「前回はベリンジャーの肩が脱臼した。今回は僕の肩が脱臼した。これは世界王者にとって良い兆候」とナインの士気を高めるメッセージを送っていた。
気温が10度台と冷え込むニューヨークのナイターゲームでは肩をケアする温熱サポーターは欠かせないが、第4戦では左肩亜脱臼後、初安打となる中前打、直後の走塁では左手でユニホームの首元をつかみながら初スライディングも披露した。ワールドシリーズでは4試合で15打数2安打の打率.133で、本塁打、打点はなしと結果こそ出ていないが、手負いながらあと1勝に迫ったWS制覇に向けて全力プレーでチームをけん引した。
ドジャースとヤンキースの東西名門がワールドシリーズを戦うのは1981年以来43年ぶり12度目。大谷とジャッジ、両リーグ本塁打王同士の対決に周囲の注目度も例年になく高まっていた。
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