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【高校サッカー】前育育英・65歳山田監督 余韻浸らず分析漬けで歓喜「何回も見ていると…」

スポニチアネックス / 2025年1月14日 5時0分

<前橋育英・流通経大柏>胴上げされる前橋育英・山田監督(撮影・小海途 良幹)

 ◇第103回全国高校サッカー選手権大会決勝 前橋育英1ー1(PK9ー8)流通経大柏(2025年1月13日 国立)

 指導歴43年の山田監督も最後は目を閉じ、祈るしかなかった。「最後まで選手たちを信じて、絶対やってくれると心の中でずっと叫んでいました」。8人目の白井の失敗には豪快に芝生の上に倒れ、仰向けになったが、信じ抜いた先に歓喜が待っていた。

 ベテラン監督の一日は長い。朝から放課後の練習まで分析漬けの日々。5年前に校長を退き、指導に専念してきた。「映像と戦う毎日になりました」。前週の試合の振り返りから、週末の対戦相手の研究まで。気になることがあれば目を凝らす。それぞれ約30分の映像にまとめ、ミーティングで選手たちに落とし込んだ。

 選手権の期間は試合後が勝負だった。食事も取らずに試合を見返し、次の相手の分析に取りかかる。中1日が続く過密日程。勝利の余韻に浸る時間などなかった。分析通りにいかないことも、想定を超えた動きに驚かされることもある。「何回も見ていると、こいつ上手だな、逆の逆を突いているなと。分析するからこそ分かるんですよね。自分のサッカー観もどんどん膨らんでいく」と言う。

 65歳の優勝監督は09年度大会を制した山梨学院大付の横森巧監督(当時67)に次ぐ歴代2番目の年長記録。妥協を知らない名伯楽は今日も愛用のマックブックと向き合う。

 ◇山田 耕介(やまだ・こうすけ)1959年(昭34)12月3日生まれ、長崎県出身の65歳。島原商で故小嶺忠敏氏の指導を受け、高校総体優勝を経験。法大を経て社会科教諭として前橋育英に赴任。「人間力育成」を信条にサッカー部を全国屈指の強豪に育て上げ、110人以上のJリーガーを指導した。

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