新潟・新井 ついにJ1で輝く ハードワーク身上のボランチ

ハードワークが売りの新井

　【新潟・新戦力紹介（5）】J3鳥取で3年、J2藤枝で2年プレーし、国内最高峰のJ1にたどり着いた。汗かき役のボランチとして攻守に貢献するMF新井泰貴（27）は「地に足着けてやってきた。J1にチャレンジできるのは当たり前のことじゃない。この1年がサッカー人生にとって大切になる」とピッチを走り続ける。

　湘南U―18からトップ昇格がかなわず、16年に当時は神奈川県リーグ所属だった産業能率大に進学。「1年の時は一番下のチーム」でプレーし、3年になるとプロ入りを目指しつつも「現実を考えて」就職活動を始めた。合同説明会に足を運び、コーヒーメーカーなどをレンタルする企業から内定をもらった。

　同社の最終面接で「プロを目指している」と宣言。「仮になれなかったら来てほしい」と応援され、再び気持ちに火が付いた。その後に練習参加したチームの一つの鳥取からオファーを勝ち取り、プロへの道を切り開いた。

　プロでもJ3からJ2、そしてJ1へと一歩ずつ上がり、はたからは苦労してきたようにも見える。それでも「一年一年、一日一日の成長を感じながら過ごせた。鳥取と藤枝での5年間は本当に必要で、自分にとって（J1への）最短ルート」ときっぱり言う。

　ハードワークが身上。中盤に技術の高い選手がそろうチームでは「特長は出しやすい」と最大限アピールする。その上で「守備だけの選手で終わりたくない」と力を込め、利き足の左から決定的なパスを出し、攻撃でも存在感を示していく。

　◇新井　泰貴（あらい・たいき）1997年（平9）6月19日生まれ、神奈川県出身の27歳。湘南U―18から産業能率大を経て20年にJ3鳥取に加入。23年からJ2藤枝でプレーした。ボランチが主戦場。J2通算56試合出場、J3通算86試合出場4得点。1メートル74、67キロ。利き足は左。背番号は22。