「画期的かつ歴史的」 東京高裁 同性婚認めない規定「違憲」 全国で同性婚訴訟 “違憲”判断後の当事者「議論に移して」【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月31日 12時56分
同性同士の結婚を認めない規定は「憲法違反」。高裁としては「2例目」の判断が示されました。この判断を当事者たちはどう受け止めたのでしょうか。
高裁でも違憲!婚姻の平等へさらに前進!
「婚姻の平等へさらに前進!」
東京高裁の判決は、大きな後押しとなっていくのかもしれません。
原告 小野 春さん(仮名・50代)
「本当にこの5年間、すごくたくさん色んなことがありました。でも、こうして裁判所ではっきりと『違憲』だと言っていただけて、本当に報われたような、本当に嬉しい気持ちです。どうもありがとうございます」
結婚の自由を求め、同性カップルら7人が国に賠償を求めた裁判。争点は、婚姻を異性同士だけに限っている民法や戸籍法の規定が、「法の下の平等」を定めた憲法に違反しているか。
30日に東京高裁は、現在の規定は「男女間の結婚について規律するに留まり、性的指向によって法的な差別的取り扱いをするもの」だとして、『憲法違反』とする判断を示しました。
国の賠償責任については原告の訴えを退け、認めませんでした。
判決のあと、会見を開いた原告側。同性カップルに「配偶者」としての法的身分や保護が与えられていないことを指摘した判決を「画期的かつ歴史的」と高く評価しました。
原告 大江 千束さん
「要旨説明の中で、『配偶者』という言葉を何度か言ってくださったと思います。私たちが訴えてきたことを、盛り込んで説明してくださったことが嬉しかった」
また、判決では、同性カップルには互いの子どもの親権が認められていないことについて、男女のカップルと「同様の規律とするのかどうかを定める必要がある」としました。
同性婚を認めない規定「違憲」 全国で同性婚訴訟「議論に移して」
原告 小野 春さん(仮名・50代)
「一緒に子どもが判決を聞いてくれたので、一緒に喜んで、裁判長はちゃんと子どものことも言ってくれたねって話をしました」
原告の小野 春(おの はる)さんは、パートナーと3人の子どもを育てています。
原告 小野 春さん(仮名・50代)
「私たちの20年間に及ぶ子育ても、法律の後ろ盾がない中、ずっと手探りでやることになった部分はすごく多かった。これから子育てをする同性カップルのみなさんも、法律がまだできてない中でまだ不安もあると思うんですけど、少しでも子育ての不安が減ってくれたらいいなと思います」
大切なのは、前進したその先。当事者たちが求める社会の実現です。
2024年3月には、札幌高裁も同性婚を認めないのは「違憲」とする判断を下しました。
原告のひとり、中谷 衣里(なかや えり・32歳)さん。「違憲」判断後も、中谷さんを取り巻く環境は厳しいままです。
北海道で同性婚訴訟 中谷 衣里さん (32)
「購入した家も、2人でペアローンを組むことができず、すごく苦労した」
同性婚をめぐる裁判は各地で行われていて、林 芳正 官房長官は「同種訴訟が継続していて、その判断を『注視』していく」としています。
北海道で同性婚訴訟 中谷 衣里さん (32)
「正直なところ、また同じこと言ってるなという気持ちでした。議論というところの次のフェーズに移してほしいと思っています。もうこれ以上『注視していく』という言葉は当事者としては聞きたくない気持ちです」
全国で同性婚訴訟 「早く法律も進めていくべき」
小川彩佳キャスター:
同性婚を巡っては、国連の女性差別撤廃委員会も先日、選択的夫婦別姓などとともにこの同性婚を認めるべきだという勧告を出しましたが、なかなか政治側が動いていかないという現状ですよね。
トラウデン直美さん:
当事者にとっては、まだまだ課題はあると思いますが、社会としてはだんだん変わってきているなと思います。同世代でも当たり前になってきている印象があります。私の高校生の時にも身近にそういった同性カップルの方もいたので、そこまで社会として受け入れられてない感覚っていうのはなくて、いい方向に変わってきてると思います。
ですが、制度の部分で不具合・不便が異性カップルと違って生じると、どうしても認められていない感覚にきっとなってしまって、そういったものがどんどん蓄積して、ストレスを抱えてしまう可能性はあると思います。
改めてお話を聞いて、早く法律の方もどんどん進めていくべきだと思いました。
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〈プロフィール〉
トラウデン直美さん
環境問題やSDGsについて、積極的に発信
趣味は乗馬・園芸・旅行
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