「米国で戦え」論争一蹴した井上尚弥の衝撃TKOをESPN絶賛 米ファンへ「君たちは今史上最高を目撃してる!」
THE ANSWER / 2024年5月7日 11時3分
■「今や軽量級の本場はここ日本にある」の言葉を証明する6ラウンドにESPN実況席興奮
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。井上の試合を巡っては「本場のアメリカで開催しろ」という論調も根強いが、試合を中継したスポーツ専門局「ESPN」の実況席は「あなたたちは今、史上最高の選手の一人を目撃している」と手放しで絶賛した。
初回にプロ初ダウンを喫しながら、終わってみれば完勝を飾った井上。濃密な試合の決着は6回だ。井上の連打でネリが3度目のダウンを喫した。最後は右をもろに食らった挑戦者の首が鞭打ち、レフェリーストップ。モンスターはコーナーにのぼり、雄叫びを上げた。4万人から万雷の「尚弥!」コール。この模様をストリーミングサービスで中継したESPN実況席も大興奮だ。
解説の元世界2階級制覇王者ティモシー・ブラッドリー氏はTKO直前から目を見開き、「この試合はもうすぐ終わるぞ。ネリはこんなパンチを何度も受け続けられない」とまくし立てた。そして、決着の瞬間。実況のジョー・テシトーレ氏は「右が決まった! ネリが崩れ落ちた! そして、モンスターが吼えた! またやってのけました!」「満員の東京ドームの期待を遥かに上回って見せました!」などと絶叫し、アメリカのボクシングファンに伝えた。
試合終了後、テシトーレ氏は「我々は常にボクシングで『偉大』という言葉の使い方には気をつけています。しかし、皆さん、あなたたちは今、史上最高の選手の一人を目撃しているのですよ!」と改めてモンスターの価値を強調。「疑いなど何もない。4団体統一王者が価値ある挑戦者を、またしても破壊してしまいました!」と手放しで賛辞を並べ、ブラッドリー氏は「もう今の時点で殿堂入りは確実だ」と唸るしかなった。
井上を巡っては最近は国内中心で戦うことから、米ボクシング界から「アメリカに来て戦え」という論調が戦前にあった。しかし、本人は「今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」とSNSに記した通り、ボクシングの面白さを凝縮した6ラウンドを展開。目の肥えたESPNの実況席はその価値を誰よりも認識していた。(THE ANSWER編集部)
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