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中谷潤人の対戦オファー“ほぼ全滅”だった「全員に断られた」 どうなる統一戦、来年米国開催も

THE ANSWER / 2024年10月15日 15時50分

2度目の防衛成功から一夜明け会見でコメントする中谷潤人【写真:浜田洋平】

■都内で会見

 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が15日、2度目の防衛成功から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナで同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)に6回2分59秒TKO勝ち。プロ77戦でダウンが一度もない相手から2度ダウンを奪う衝撃的勝利。世界的評価を受けるまでに成長したが、強すぎるあまりマッチメークに苦戦していた。

 中谷は6回に強烈な左オーバーハンドから10連打。腹ばいにダウンを奪うと、残り7秒にジャブから長い左ストレートが炸裂。TKO勝ちを飾った。一夜明け、一睡もできずに臨んだ会見では「歓声は聞こえていたし、気持ちよくできた」と笑みを浮かべた。

 興行主の帝拳ジム・本田明彦会長も取材対応。10代の頃から帝拳ジムの興行に出ていた中谷について「もう完璧です。本当にやりにくいし、倒れたことのない相手にあれだけ綺麗に倒すのは凄い」と絶賛した。今回のマッチメークにも携わり「全員に断られました。試合を受けたのが昨日の選手。相手選びは難しいです」とランカーたちの回答を明かし、続けた。

「今回の興行は相手が弱いという声が出ていたようですが、とんでもない話です。全員が苦戦すると思っていました。その中ではっきり勝ったのが、中谷選手と寺地拳四朗選手の凄さです。2人はプライム・ビデオを第10回までやってきた間に伸びてきました。Amazonさんも『那須川天心以外にスターをつくりたい』とこの2人に注目してきて、その2人が光った。完全に育ちましたね」


会見で撮影に応じる中谷潤人【写真:浜田洋平】

■日本人独占のバンタム級、どうなる統一戦

 バンタム級の他3つの世界王座はWBAに堤聖也、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、日本人が独占。中谷はWBA王者だった井上拓真との統一戦が期待されたが、13日に堤が王座を奪った。本田会長は「次の相手が大変。中谷選手が一番の問題です」と明かす。

 PFP1位を夢見る中谷は、評価の上がりやすい王座統一を望む。しかし、長年の悲願を叶えたばかりの堤、減量苦で転級を視野に入れる西田、那須川戦を希望してきた武居とそれぞれの道もある。「日本で相手探しが難しければ(米国に)行かせる可能性もあります。海外の評価が凄く高い」と本田会長。中谷が目標に据える井上尚弥戦についても触れた。

「本人は尚弥選手とやりたいという目標がある。そのためにはバンタム級に相手がいなくなったことを証明しなければいけません。いくら私が『みんなが対戦を断ってきた』と言っても、そういう問題ではない。勝っていかないと。そのための試合を組まなくてはいけません。統一戦は難しいものなんです」

 中谷と尚弥はともに米興行大手・トップランク社とも契約。尚弥が来年を目途にフェザー級に転向すると仮定すると、中谷に残された時間は長くはない。会見では「目標のために、まずはバンタム級でやりたいことをやりたい。統一戦を期待してもらえるように今後もいいパフォーマンスをしたい」と口にした。まずはひと休みして英気を養う。(THE ANSWER編集部)

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