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【ソフトバンク】「モイネロ2世」の18歳ダリオ・サルディ 母国キューバを離れ…NPB選んだ理由

東スポWEB / 2024年4月9日 11時5分

ソフトバンクでの支配下契約を目指している育成投手のダリオ・サルディ

ソフトバンクに今年1月に入団し「モイネロ2世」として将来を嘱望されているのがキューバ出身左腕、ダリオ・サルディ投手(18)だ。かつて野球大国と呼ばれたキューバは今、若いエリート選手が次々と海外へ活躍の場を求めている。疲弊する母国野球の実情、遠く離れた日本にやって来た理由を聞いた。(取材構成=福田孝洋)

U―18キューバ代表で母国の未来を担う左腕は、長身から繰り出す真っすぐと落差の大きいカーブを持ち味とする。育成契約からのスタートだが、世界的原石の可能性は無限に広がっている。近年NPBの競技レベルは格段に上がり、どの球団も助っ人補強が困難を極めている。そんな中で、ソフトバンクは外国人選手を自前で育てるシステムにかじを切った。中南米の有望選手がメジャー一択だった時代は変わろうとしている。サルディはなぜ日本を、ソフトバンクを選んだのか。

サルディ 政治的な問題などもあり、キューバの選手たちがメジャーリーグでプレーすることは現実的ではなく、難しい。それでも同世代のキューバ選手にとっては、NPBよりもMLBの方が近い存在であることは間違いありません。実際、U―18キューバ代表メンバーの20人中、国に残ったのは僕を含めて4人だけでした。

キューバのアンダー世代で代表に入る実力者であれば、例外なくMLB球団の調査の対象となる。サルディももちろん熱視線を集めた逸材。なぜ同胞たちに追随せず、一人だけ日本行きを決めたのか。

サルディ やっぱり、いろんな意味でキューバ人にとってはMLBの方が近い。まずドミニカに行って、そこからメジャーに行くのが一番の近道。でも、プロセスは大変です。亡命しないと道は開けないですし…。一方で日本の契約を取るのは、時間的に長いというのがあります。1年後に契約すると言われても、イメージが全くつかなかった。ただ、担当の萩原健太スカウトが明確にプロセスを説明してくれました。彼はわざわざ僕の実家にまで来てくれて、一緒にいろんなところに出掛けた。家族とも一緒の時間を過ごしてくれた。健太さんの存在はすごく大きかったと思います。

来日する直前までプレーしていた母国のビジャ・クララでの給料は月々12ドル(約1818円)だったという。野球選手として生きることを決めた18歳。日本で身を立てなければならない理由を素直な言葉で語った。

サルディ キューバの若い人たちが国を出てしまうのは、何もないから。貧しいというのが一番にある。今、キューバはどこの家庭も生活が苦しい状況。僕もそういう家庭で育ちました。そんな境遇も、僕がここに来た一つのきっかけかなと思います。野球で契約を取ってプレーすることで家族を養うことができる。家族をサポートする手段としてここに来たというのはあります。

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