井上尚弥 ボクシング史上に残る戦慄フィニッシュ! 6回劇的TKOでルイス・ネリ粉砕
東スポWEB / 2024年5月6日 22時11分
強すぎる。世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチが6日、東京ドームで行われ、統一王者の井上尚弥(31=大橋)は元世界王者でWBC1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)に6回TKO勝ち。34年ぶりに開催された夢舞台で悪童を一蹴し、日本のボクシングファンの溜飲を下げた。
4万人超の大観衆が固唾を飲む最高の舞台。歴史的な一戦はまさかの展開から始まった。井上は開始早々、左フックを食らってダウン。キャリア27戦目にして初のダウンにドームは凍り付いた。
井上自身も信じられない表情で立ち上がった。ネリの猛攻をしのいだ井上はすぐに反撃。電光石火の左フックでダウンを奪い返した。リズムを完全に取り戻した王者は両手を下げてからのストレートで挑発するなど、いつもの完全無欠スタイルを披露する。そして5回には至近距離からの左フックで再びダウンを奪う。
こうなったらあとは仕上げだ。6回、左フックを皮切りに連打で攻め、右ストレート一閃。ネリはマウスピースを吐き出しながら、マットに崩れ落ちた。ボクシング史に残る戦慄のフィニッシュだった。
井上は「ここ東京ドームで34年ぶりの日本人がメインイベント。すごいブレッシャーはあったんですけど、皆さんの力が僕のパワーになりました」とドームを埋め尽くした大観衆に感謝。そして「1ラウンドのサプライズ、たまにはいかかでしょう?」とおどけてみせ、大歓声を浴びた。
東京ドームでボクシングが行われたのは1990年2月のマイク・タイソン vs ジェームス・ダグラス戦以来。34年前は世界ヘビー級統一王者で無敵の怪物・タイソンが初黒星を喫して世界中に衝撃が走ったが、〝令和のモンスター〟に番狂わせなど存在しなかった。
2018年3月の山中慎介(帝拳)戦で1・3キロもの大幅体重超過をしたネリは500グラムを下回って計量をパス。仕上がりも万全だったが、敵ではなかった。
2014年4月に世界王者となり、ちょうど10年。世界戦22連勝で8戦連続KO勝ちと進化は止まらず、年齢を重ねるごとに可能性は無限に広がり続けている。フェザー級に転向して日本人初の5階級制覇、前人未到の3階級4団体統一も、ハッキリと見えてきた。年内はスーパーバンタム級で闘う方針で、この日観戦に訪れたIBF&WBO1位の無敗戦士、サム・グッドマン(オーストラリア)の挑戦を9月に受けることを表明。世界最高峰のKOショーはどこまでも続きそうだ。
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