関根誠端容疑者をそそのかした男 栃木２遺体事件「ラスボス」指摘の声 残る最大の謎…実行犯は？

事件最大の謎は…（写真は被害者宝島さんのお店があった上野の〝宝島ロード〟）

栃木・那須町で焼損した宝島龍太郎さん（５５）と幸子さん（５６）夫婦の遺体が見つかった事件で、これまでに主導役とみられる男を含め６人が警視庁と栃木県警の合同捜査本部に死体損壊容疑で逮捕された。犯行の全容が判明したかに見えるが、まだ謎は残っている。

夫婦は東京都内の空き家で暴行された疑いがあり、その後、栃木・那須町の河川敷で遺体となって発見された。

主導役は夫婦の長女の内縁の夫、関根誠端容疑者（３２）。空き家に案内したのは、空き家を管理する不動産会社役員の前田亮容疑者（３６）。遺体遺棄を関根容疑者から請け負い、死体損壊の実行グループの指示役となったのは佐々木光容疑者（２８）。仲介役は平山綾拳容疑者（２５）。那須で遺体を焼いた実行役は姜光紀容疑者（２０）と若山耀人容疑者（２０）。

関根容疑者には“動機”があるようにみられている。宝島さん夫婦の長女の内縁の夫であり、東京・上野でいくつかの店を任されていたが、売り上げの上がりを夫婦に上納したり、幸子さんから罵倒されたり、結婚に反対されたりしていた。

しかも今年１月、夫婦の会社の商業登記で、取締役が長女から次女に替わったという。そうなると内縁の夫である関根容疑者も中心から外れる可能性が高い。さらに関根容疑者は夫婦が暴行された疑いのある空き家に「行っていない」と供述していることが８日、分かった。捜査本部は足取りを調べている。

元警察関係者は「最大の謎は誰が宝島さん夫婦を殺害したのかということです。その時間に居酒屋にいた平山容疑者以外、可能性があります。一方、遺棄の実行役は報酬２５０万円ですから、そんな額で死刑の可能性がある２人殺害に手を染めるのか。また、関根容疑者はあまりに夫婦に近すぎるし、動機も強く、捜査の手がすぐに及ぶ。前田容疑者は宝島夫婦と接点があるし、何より暴行現場となった空き家の管理者だからすぐに捜査線上に浮かびます」と指摘する。

死体遺棄罪は最高で懲役３年だが、２人に対する殺人罪は死刑の可能性がある。報酬額がどんな高額であろうと、殺人は割に合わない。

また、関根容疑者は主導役だが、動機はあっても謎は残る。

「関根容疑者が１５００万円を佐々木容疑者に渡し、そこから報酬が割り振られました。関根容疑者がその額を払えるのでしょうか。宝島さんの店や不動産取引のカネを抜いたかもしれませんが、もし抜いたらもう後戻りできなくなります。ひょっとしたら宝島夫婦を排除したかった人物が関根容疑者をそそのかし、決意させたかもしれません」と同関係者は話している。