現役最年長プロ・灘麻太郎87歳 3~4日ぶっ通し「執念深かったムツゴロウ」【後編】
東スポWEB / 2024年6月16日 10時16分
【レジェンド雀士からの金言】1981年に麻雀プロが誕生して以来、黎明期から麻雀プロ界を創造してきたレジェンドたちが、麻雀にかける熱き思いを語り尽くす。米寿間近の現役最年長麻雀プロである灘麻太郎(87)へのインタビュー後編では「カミソリ灘」が後輩たちに吼える!
1970年代は文壇でも麻雀が隆盛だった。
「一番よく一緒に麻雀を打った作家は五味康祐さん、仲が良かったのは花登筺さん。五味さんは政財界にも顔が広かったんで、政財界の人間が料亭の座敷で麻雀を打つ時には、麻雀打ちとして俺にもよくお呼びがかかったんだよね」
作家と麻雀には共通点があるという。
「何が似ているかといえば、人の心を読むこと。麻雀は相手の心を読みながら打つことで強くなっていくし、作家も人の心のあらゆる動きを知って初めて一人前になると思うんだよね」
芸能界にも幅広い人脈を持つ。
「長門裕之の家では本当によく麻雀を打ったね。長門に3人麻雀のルールを教えたのは俺だったけど、そのルールに欽ちゃんこと萩本欽一が新たなルールを付け足して、それが長門家の3人麻雀ルールになった。若い頃からよく打った寺田農もその一人だけど、麻雀仲間だった役者はみんな次々亡くなってしまったね」
華麗な麻雀人脈を持つ灘が最も多く卓を囲んだのは、作家で雀豪でもあったムツゴロウこと畑正憲だった。
「タイトル戦や普段の麻雀でも一番長い時間打ったね。その麻雀はひと言で言えば“執念深い麻雀”。いったん始まったら、自分からやめようと言わないから、飲まず食わずで仮眠もせずに3~4日はぶっ通しで打つ。ふとムツゴロウを見るとガイコツみたいな顔をしていて、ああ俺もこんな変な顔になっているんだろうなと思ったね(笑い)」
では、様々な大物たちと戦い続けてきた灘の勝負哲学とは?
「俺の武器はスピードと勝負根性。スピードとはテンパイが速いこと。だからといって打点が安くてもいいわけではなくて、大きな手をそれなりの速さで作っていく。勝負根性とは心の持ちよう。勝負の場では自信を持って打つことが大事だからね。そのためには経験に基づいた読みが必要だ」
当然、相手がどんな形でリーチをかけているのかといった読みの勉強もよくしてきた。
「その2つの武器で『これで勝負あり!』という状況でアガリをものにできた瞬間は心が震えるんだ。それはオーラスとは限らない。勝負の場にはここぞという局面が必ずあって、そこを制した瞬間は心だけでなく手も震える。相手には分からないようにしているけどね」
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