“手役アーティスト”森山茂和72歳「AIにできない味のある切り方ができてこそプロ雀士」【前編】
東スポWEB / 2024年6月23日 10時41分
【レジェンド雀士からの金言】麻雀ブームの今こそ、その礎を築いた男たちの声を聞け――レジェンドが自らの麻雀人生や勝負哲学、後輩への思いを余すところなく語り尽くす特別連載。2人目は麻雀界を発展させてきた名プロデューサーにして日本プロ麻雀連盟・現会長、そして“手役アーティスト”の森山茂和(72)だ。団体内では歯に衣着せぬ辛口で闘魂注入する“カミナリ親父”的な存在でもあるが、まずは激動の時代や“ミスター麻雀”こと小島武夫(享年82)との思い出を振り返りつつ、その美学を明かしてもらった。
5人兄弟の末っ子として山口県で生まれ、中学では剣道部、高校ではサッカー部に所属するスポーツ少年だった。「麻雀を始めたのは大学に入った18歳の時。麻雀をやっているやつが私にルールを覚えさせて、カモにしようとでも思ってたんじゃないですかね」と笑うが、大学卒業後、実家の玩具店を手伝っていたものの、麻雀熱が冷めることはなかった。
当時麻雀プロ団体はまだなく、新聞や麻雀専門誌に登場した誌上プロを“麻雀プロ”と認識していた時代だった。
「麻雀新撰組(※)の小島(武夫)先生たちは別格として、雑誌に出ていた若手プロといわれる人たちのレベルってこの程度かと思い『だったら俺がプロになってやろう』と上京したのが、今でも忘れない1977年2月22日。プロになったところで飯が食える保証なんてひとつもないのに、血気盛んでしたね」
東京で競技麻雀会に出場していた折、すでにスター的な存在だった小島の事務所に、縁あって泊めてもらえることになった。
「第一印象は、粋で破天荒な人(笑い)。その日以来、優しくしていただき、事務所に気楽に出入りさせてもらえるようになったんです。小島先生からは、締め切りに間に合わないから書いてくれない?なんて原稿を頼まれたこともあり、週刊アサヒ芸能からは小島先生の後釜で、何切る連載をやらせてもらいました。周りからは小島武夫の弟子と言われたこともありましたが、小島先生は『森山君は弟子じゃない、仲間なんだ』と言ってくれていました。うれしかったですね」
ミスター麻雀はボートレースやカジノも好んだ。
「晩年、小島先生は韓国のカジノで大負けしたことがあり『なんでそこまで負けるんですか?』と聞いたら『みんな後ろで見ているんだよ。小島武夫がちまちま張るわけにはいかないだろ』と言ってガハハと笑うんです。勝つこともあったんでしょうけど、結局はやめない人。勝つまでやめないのではなく、負けるまでやめない人だったんですよね」
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