1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

“手役アーティスト”森山茂和72歳「AIにできない味のある切り方ができてこそプロ雀士」【前編】

東スポWEB / 2024年6月23日 10時41分

23歳の頃、麻雀論文を募集していた近代麻雀に応募した。

「運やツキといった目に見えない部分をどう感じ、どう捉えていくのか。そこにこそ麻雀の奥深さがあると思い『麻雀は運である』というテーマで応募しましたね」

森山論はこうだ。

「運やツキを感じるためには自分の中に“レーダー”を持ち、どう反応していくのかを指針とし、基本的にはツイていると感じた時はGO。ツイていない時はストップ。ツイていれば、流れのままにまっすぐ手牌を進めていくのが基本、アタリ牌をつかまないのが真理なのです。読みの知識やそれに基づく技術を持っていることはプロなら当然。それを踏まえた上で流れを読み、レーダーで得た情報を加味して総合的に打っていくゲームであると書きました」

半世紀たった現在も、この考え方は変わっていない。

「目に見えているところだけで戦っているようでは、それこそAIに学習させれば、効率のいい切り方をしてくれるでしょう。でも味のある切り方はできないはず。味のある切り方ができてこそプロの存在価値につながると思うんですよね」

異名は“手役アーティスト”。

「いつも『一打入魂』という気持ちで打っています。第1打からその局が終了するまで1枚の絵を描くイメージ。手順を尽くした美しい芸術作品をどれだけ多く作れるか。ラクな手牌ではない時こそ、なんとかしようとするのが麻雀だと思っているんですよね」

CS放送「MONDO TV」の麻雀番組「モンド麻雀プロリーグ」には2001年から20年以上出場。視聴者に語り継がれる名場面も数多く生み出してきた。

「小島先生がよく言っていたことは、誰が打っても変わらないアガリではプロとしての価値はない。私も同様で、常に自分らしく打つことは大事にしてきました。自分らしくというのは、自分でこう打つと方針を決めたらその通りに打つ。だからホンイツを狙っていたはずなのに、途中で楽な道を選んでやめたら、結果的にホンイツになっていたというようなことは本当に嫌なんですよね」

後編に続く

※麻雀新撰組=1970年に作家の阿佐田哲也を中心として結成された麻雀グループ。小島武夫や古川凱章らが在籍

☆もりやま・しげかず 1951年11月6日、山口県生まれ。専修大学卒業。主な獲得タイトルは第9期王位、第12期最強位、第6回MONDO21杯、MONDOプロ麻雀リーグ第17回名人戦、第3・6・7・12・13・16回天空麻雀など。著書に「麻雀プロはこう読む」。北海道から九州まで全国12か所に支部を構え、約900人が所属する日本プロ麻雀連盟の現会長。2003年、オンライン対戦ゲーム「KONAMI麻雀格闘倶楽部」に麻雀プロを登場させるなど、「麻雀プロが食える世界」を多角的に構築してきた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください