神様ゴッチの“息子”木戸修の数奇な運命 「もう1日早ければ…」幻に消えたジャパン・プロレス入り
東スポWEB / 2024年7月28日 10時6分
新日興行KKは新日プロの運命共同体と思われていたが、全日本プロレスとの興行提携を発表して以来、新日プロからは契約違反による契約解除を通告され、新日興行KKも絶縁を宣言し、提携打ち切りを発表していた。
新日プロに5人の退社届が届けられたのは会見前のこと。一読した坂口征二副社長は「タヌキ5匹にだまされた」と激怒する一幕もあり、寝耳に水の移籍劇だった。
同月25日には永源遙、栗栖正伸、保永昇男、新倉史祐、仲野信市が追随。27日に米国から帰国したキラー・カーンも続いた。10月9日には社名をジャパン・プロレスに変更。若手の笹崎伸司、レフェリーのタイガー服部も合流し、29日には参謀役のマサ斎藤が帰国して参加を表明。ジャパンは一大勢力となったのだ。
オフに木戸と食事に行くなど、親しく付き合っていたという新倉は当時のやり取りを明かす。「新日興行KKに移籍したことを木戸さんに報告したら『もう1日、2日早くオレのところへ話持ってくれば、お前のところへ行ってやったのに』って言われました。ゴッチさんの後に、大塚さんが木戸さんを誘ったんじゃないかな」
大塚氏(現在、株式会社「タジマ」代表取締役会長)は「木戸さんの家へ行って3、40分しゃべりました。僕は無理して誘おうという気持ちじゃなかったから『(ウチへ)来ませんか?』って(笑い)。木戸さんは『自分の行動は決めてるから、大塚さんのところへは行けないな~』と言うので、『あぁそうなんだ。じゃあケガしないで頑張ってね』って話をしました」と回想する。
翌85年1月4日、全日プロ後楽園大会に出場していたジャパンプロの控室を訪ねる木戸の姿があった。長州や谷津と笑顔で談笑していた。新倉や大塚氏の打ち明け話を聞いてからこの写真を見直すと、この笑顔にも合点がいく。大塚氏がゴッチよりも先に木戸と接触していれば、木戸のジャパンプロ入りが実現していた可能性もあったのだ。
木戸は昨年12月11日に死去した(享年73)。今ごろはゴッチの好きだった赤ワインを酌み交わし、思い出話でもしてるだろうか(敬称略)。
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