1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「漢塾」伊藤優孝〝理屈を語っているようでは、勝負の世界では通じない〟【後編】

東スポWEB / 2024年7月28日 10時15分

「犬のおかげで規則正しい生活が送れているんだ」と伊藤優孝。左下が愛犬のチワワ

【レジェンド雀士からの金言】日本プロ麻雀連盟1期生であり、“雀鬼”こと桜井章一の麻雀道場「雀鬼会」1期生でもある伊藤優孝(75)のインタビュー後編。麻雀プロとして、何のために強くなるのか。勝負の場で「義」を貫いてきた“死神の優”が今、後輩たちに伝えたいこととは――。

伊藤が師と仰ぐ桜井章一が、麻雀を通して人としての道を指導することを目的として1991年に立ち上げた麻雀道場「雀鬼会」。第1期雀鬼会リーグに参加した麻雀プロは、麻雀企画集団バビロンの総帥でもある馬場裕一と伊藤の2人で、伊藤は16人中12位だった。

「桜井さんから『優孝、お前の麻雀はぬるま湯だ』と言われたんだけど、心当たりがいっぱいあったからドキッとしたんだ。『ベタベタオリるのがプロなのか。ボクシングも麻雀も格闘技だろ。お前は悔しくないのか』と言われて初心に戻り、2期目は決勝まで残って、3期目に優勝できた。4期目は決勝で競り負けたけどね」

雀鬼会は猛者ぞろいで、麻雀最強戦では雀鬼会設立年に伊藤が最強位となり、92年は佐々木秀樹、93年には山田英樹と雀鬼会メンバーが3年連続で最強位を獲得。97年には「THEわれめDEポン」や「Mリーグ」の解説でもおなじみの土田浩翔、2014年にはサイバーエージェント代表取締役社長でMリーグチェアマンでもある藤田晋、19年には棋士と麻雀プロとの二刀流・鈴木大介が最強位となったが、3人とも雀鬼会出身者だ。

伊藤と馬場は雀鬼会を手本とし、01年には雀力と精神力を高めることを目的とした麻雀道場「漢塾(おとこじゅく)」を立ち上げた。

「雀鬼会における勝負麻雀のトレーニング方法は、麻雀プロにこそ有効だと思ったんだ。それで桜井さんのところに漢塾創設の許可をお願いしに行ったら、言ってることはわかるけどダメだと断られた。それでも何度もお願いしに行って半年後にしょうがねえなと認めてもらえたんだ」

漢塾では審判立ち会いのもと、雀鬼会同様に第1打で字牌やドラを切らないといったさまざまな制約を設け、常に戦う姿勢を貫くよう指導している。「道場だから楽しいわけじゃない。嫌な思いをいっぱいするからこそ修業だろ。強くならなければ、弱い立場の人間を守ることはできない。だから強くなれ!というのが、桜井さんの考え。フランス語で言えばノブレス・オブリージュ。権力者や成功者になったら、弱い人たちを助ける責任があるという考え方なんだ」と、そのコンセプトに賛同した参加者はプロ団体の枠を超えて集まった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください