1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

【阪神】用兵巧者・岡田監督が継投策で伝える球界への〝メッセージ〟 ブレない「データより感性重視」

東スポWEB / 2024年8月14日 5時10分

岡田監督の継投策がハマり巨人に競り勝った阪神。自力優勝の可能性が復活した

阪神は13日の巨人戦(東京ドーム)に8―5で競り勝ち、消滅していた自力優勝の可能性が一夜にして復活。用兵巧者・岡田彰布監督(66)の継投策が見事にハマり、絶対に落とせない一戦をもぎとった。深みのある試合後に恒例となっている「岡田語録」で日本列島の野球偏差値を大きく引き上げてきた百戦錬磨の老将も、今季が2年契約の最終年。自身のキャリアも集大成を迎えようとする中、球界に残したい〝遺言〟とは――。

伝統のGT戦で白熱の好勝負が繰り広げられた。広島が粘り強く首位の座を堅守する中にあって2位・巨人、そして3位・阪神にとっても絶対に落とせなかった一戦。勝負を分けたのは、5―5の同点にもつれ込んだ6回以降の両軍の継投策だった。

7回から巨人の4番手としてマウンドに上がった左腕・高梨は四球から崩れ、一死満塁の大ピンチを背負う。打席にはこの日、スタメンから外れた佐藤輝の代役として「3番・三塁」で起用されていた右打者・渡辺。右投手への交代も予想された一幕だったが「なんか『代えてくれるんじゃねえか』って感じで投げているようにしか見えなかった。ケツを拭かせました」と敵将・阿部監督は高梨の続投を即断。渡辺は甘く入ってきた初球のスライダーを見逃すことなく左中間へ運び、決勝の走者一掃3点適時打をマークした。

一方の岡田監督は、8安打5失点と精彩を欠いていた先発・才木を5回限りで見切り、6回から石井、ゲラ、桐敷、岩崎の勝ちパターン継投陣4枚を出し惜しみすることなくフル投入。Wストッパーの一角として運用していたゲラは坂本→岡本と右の強打者が続く7回に、今季初めて起用した。8回にマウンドへ送り込んだ桐敷はチーム内の〝禁忌〟として、ここまでできる限り避けていた3連投での登板。自身の采配原則を、ここぞの一戦でねじ曲げて勝利をつかみ取った。

試合後の岡田監督は勝敗を分けた高梨続投の一幕を「これは(右投手の)ケラーが来ると思っとったけどな。おーん。意外やったな」と振り返る。第1次政権時に伝説的リリーフユニット「JFK」を編成し、球界に投手分業制の流れをもたらした虎将だけに「継投談議」は〝大好物〟。酒席や試合前練習中の雑談でも、しばしば周囲に語って聞かせることが多い。

昨年11月1日・甲子園でオリックスを相手に行われた日本シリーズ第4戦。同点の8回一死一、三塁で「代打の代打は絶対にない」と踏み、相手の左打者・T―岡田に左腕・島本をぶつけたが、敵将の中嶋監督は右打者の安達をコール。結果的に三ゴロに抑え込んだが「あそこはホンマに中嶋にやられたと思ったわ。采配では俺の負けやった。でもな、結果的にそれを島本が上回ってくれたんよ」。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください