1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

【菊地敏幸連載#46】11年ドラ1伊藤隼太 指名順位を落として地道にやらせていれば…

東スポWEB / 2024年10月2日 11時4分

鳴り物入りで入団した伊藤隼太は苦しいデビューイヤーを過ごした

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(46)】2011年ドラフトでは阪神が単独1位で慶大・伊藤隼太外野手を指名しました。2位は福島・聖光学院の歳内宏明投手、3位は大阪桐蔭の西田直斗内野手、4位は東京国際大の伊藤和雄投手、5位は長崎・波佐見高の松田遼馬投手を指名。育成1位で広神聖哉捕手を指名しドラフトが終わりました。

1年目となる12年の春季キャンプでは一軍スタート。右手首のガングリオンの除去手術を受けたものの軽症で、オープン戦でも積極的に起用されました。16試合の出場で打率1割5分4厘、無本塁打、1打点と不振。それでも当時の右翼のレギュラーだったマット・マートンの故障離脱もあり、開幕を一軍で迎えました。

3月30日のDeNAとの開幕戦(京セラ)では8番・右翼でスタメン出場。阪神の新人外野手の開幕スタメンは72年の望月充以来40年ぶりと大きく報道されました。

ただ、開幕カード2試合で6打席に立ち5打数無安打3三振。マートンが復帰したと同時に4月2日には出場選手登録を抹消される流れとなりました。7月に再登録されたもののレギュラー獲得とまではならず、苦しいデビューイヤーだったとは思います。

9月27日のヤクルト戦(神宮)では松井光介投手からプロ初本塁打となる満塁弾を放ちました。阪神の新人が初本塁打を満塁弾で記録するのはプロ野球創設年の1936年の伊賀上良平さん以来ということで、話題になる活躍もあったんです。

それでもプロ1年目は22試合で打率1割4分8厘、1本塁打、5打点という成績にとどまりました。オフの契約更改では年俸1500万円から100万円減の1400万円でサイン(金額は推定)。阪神のドラ1野手が、1年目に球団から減俸提示を受けサインしたのは球団史上初とのことでした。

こういった形でやることなすこと全てを話題にされてしまうのが阪神のドラフト1位なんです。虎党をはじめ球団やチーム首脳陣の期待値の大きさと自身の実力との乖離が大きければ大きいほど選手は悩みに悩みます。

伊藤隼太のプロ通算成績は7年で365試合に出場、154安打10本塁打59打点、打率2割4分という数字でした。大学出身のドラフト1位野手としては寂しい成績だったことは否めません。

一方で私が11年のドラフト1位に推していた高橋周平はというと、こちらも想像していた成績に比べれば苦戦していることは否めません。それでも18年あたりから中日のレギュラーとして活躍し、今季の4月10日のDeNA戦(横浜スタジアム)で1000試合出場を達成しています。

それでもなんだろうか、私はもっとホームランを打てる選手だと思っていたんですが、18年の11本がシーズン自己ベストなんですね。本当はもっとやれるはずだと今でもひそかに思っています。

そんなドラフトの答え合わせをするつもりはないのですが、伊藤隼太に関してはもう少し順位を落として指名して、本人に重圧がかかりすぎないよう地道にやらせていれば分からなかったと思っています。

もっと編成会議で議論を尽くして、注目され過ぎない指名順位で伊藤が阪神に入っていたら…。そう思うとかわいそうだったなという気持ちが残ります。素材は素晴らしい選手でしたから、本当にもったいないことをしたと思っています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください