大木金太郎が猪木戦に向けグアムで猛トレ 〝犬猿〟坂口征二とは電車の連結部で手打ち…新間寿氏語る
東スポWEB / 2024年10月6日 10時19分
ところで、猪木VS大木戦を企画したのは、やはり〝過激な仕掛け人〟と呼ばれた新間寿氏だったのだろうか。
「あれは大木さんの方からやりたいって言ってきた」と新間氏が明かす。
「一度会ったら(大木さんは)『韓国でやりたい。大統領(朴正熙=パク・チョンヒ)も見たいって言ってるし、大統領の前でやりたい』と。猪木からも『日本でやるようにしなきゃ駄目だぞ』とクギを刺されていたから、『いや大木さん、それは無理ですよ』って断った。3回ほど大木さんと会って、『新間さん、猪木さんとやったら新日プロは韓国へ来てくれますか?』と言うので『そうなったら喜んで行きますよ』って答えました」
※約束通り、翌75年3月22~27日まで猪木とレスラー数人で韓国に遠征し、5興行を開催した。最終日の27日、ソウル特別市には8000人の観衆を集め大木は猪木を相手にインターナショナル王座防衛戦を行った。
さて、大木は坂口征二との因縁が知られている。坂口は崩壊寸前の日本プロレスとテレビ中継の存続のために、猪木と話し合いを重ね新日本との合併を決め、新団体設立の発表までしていた。ところが急転直下、大木が強行に反対してこの案はポシャってしまい坂口、木村聖裔(後の健悟)、小沢正志(後のキラー・カーン)、大城大五郎の4人のみが新日本移籍という結末となったのだ。
新間氏は、坂口説得が大変だったと振り返る。「『(猪木戦を)やりますから』って言ったら(坂口さんは)『冗談じゃない。私は絶対反対ですから』って口をきいてくれなかった。私は『会社のこと考えてください。東スポの1面取ったり、(専門誌の)ゴングもある。テレビ朝日も視聴率取れるカードじゃないですか。なんとか坂口さん、次はあなたを必ずなにかのビッグイベントで組むから了解してください』って説得して。それで坂口さんは納得してくれた。ただ『私は大木とは会わないから』と言うんです」
それで新間氏は、ある策を仕掛けた。
「千葉だったかな。坂口さんに『話があるので車じゃなく、電車で行きましょう』と誘った。実は後ろの車両に大木さんを乗っけてた。で、坂口さんを連結器のあたりに連れて行って『ちょっと待っててくれ』と言って、そこへ大木さんを連れて行った。坂口さんは顔色を変えて『なんだ新間さん。俺はこんな会い方なんかしたくないよ』『電車の中で偶然会うっていうのもいいじゃないですか』『なにが偶然だ』『いや偶然ですよ。私が乗ったら(大木さんが)乗ってたんで』ってとぼけて。そんなやりとりをした(笑い)。そしたら坂口さんも最後に笑い出しちゃって」(新間氏)
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