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街を彩るネオンサイン LEDとは違う“ぬくもり”感じてください 輝きに魅せられた職人の半生

東スポWEB / 2024年11月24日 10時4分

スマイルネオン・高橋秀信氏

【昭和90年代の人々】昭和に流行した文化や技術を、令和の現在も大切にする人々を取材する連載企画「昭和90年代の人々」。今回のテーマは夜の街を彩る「ネオンサイン」だ。横浜・新山下に「スマイルネオン」を開業し、精力的に活動するネオン職人の高橋秀信氏に、ネオンの持つ魅力について話を聞いた。

そもそも職人たちはどのようにネオンの世界に飛び込むのか。高橋氏は若いころから憧れていたネオンやアメリカンカルチャーがきっかけだったと語る。高校卒業後はネオンとは関係のない工場で働いていたが、看板屋を経て20代前半で夢だったネオン工房に弟子入り。その後約12年にわたって修業を積んだという。実際にネオン管を曲げられるようになったのは弟子入りして7年目のこと。「最初は見よう見まねでL字に曲げたものを、親方がパーンって割るみたいな。自分でいいと思っていても、親方から見ればまだまだだったんですよね」と下積み時代を振り返った。

その後2000年に自身の工房である「スマイルネオン」を設立。現在は多い月で10点前後のネオン作品を作っているという。取材当日も高橋氏は、事前に作った“原寸原稿”を基に、約1000度のバーナーでネオン管を加工。腕が炎のすぐそばまで近づく場面もあったが、「慣れですね。『アチッ』て言ってたらできないですから」と“ケタ違い”の熱さも意に介さず、手際よくネオン管を曲げていた。

ちなみに色のバリエーションは注入するガスと、管の内部に塗られた蛍光体の組み合わせによって変化する。「ネオンガスを入れたら赤く、アルゴンガスを入れたら青く光ります。その赤く光るネオンガスに、緑の蛍光体を合わせるとオレンジの光になるんです。表現できるのは大体30色くらいですね」

ネオンサインの中でも、手間がかかると語るのは漢字のオーダーとのこと。「漢字特有の細かいパーツもあるので、小さいサイズでは再現が難しいことはありますね。その点アルファベットは決められた26文字だけなので一番楽です(笑い)」

ほかにも飲食店からは料理に合わせた言語を指定されることも多い。「ハングル文字もやっていますし、料理店の依頼でモンゴル文字を製作したこともあります。あとはペルシア文字の屋号も作りましたね」と明かすように、世界各地の言語に対応してきたという。

そんなネオンは繁華街や中華街のイメージが強いが、実際の依頼先がそれだけとは限らない。「中華街の近くだからといってそこからオーダーが多いということではなくて。今は大手広告代理店から一般・個人の方、そしてお店を始める上で看板を作りたいという方までさまざまな依頼があります」

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