エディオン〝東の横綱〟を目指すおもちゃ戦略 専門家「キダルト&インバウンド需要はデカい!」
東スポWEB / 2025年1月30日 17時8分
家電量販店業界5位(※)のエディオン(大阪市北区)が競合ひしめく横浜駅西口で存在感を放っている。集客のカギは徹底した売り場改革。何度も現地を訪れた流通ウォッチャーの渡辺広明氏はスマホの普及による来店客の行動変容を明かしつつ「足を止めるための仕掛け、メリハリが利いている」と取り組みを高く評価した。このまま“東の横綱”に駆け上がるか――。
家電量販店の業界規模を示す商品別販売額(経産省の商業動態統計調査)はここ数年、4兆円台で横ばいが続いている。
コロナが猛威を振るった2020年には自宅で過ごす機会が増えたことで4兆7927億円を記録したが、23年には4兆6324億円とやや後退。「いわゆる巣ごもりで需要の先食いが起きた。一方で店舗数は微増しており、競争は厳しくなっている」と業界関係者は危機感を隠さない。
西日本を地盤とするエディオンが“東の旗艦店”と位置づけるエディオン横浜西口本店をオープンさせたのは23年12月。近隣には業界2位のビックカメラ横浜西口店、同4位のヨドバシカメラマルチメディア横浜が店を構えているほか、神奈川で圧倒的な強さを誇るノジマ(業界3位)の本社もすぐそばで、「すわ横浜家電戦争か!?」と話題になった。
「今年も元旦から営業していますが、おかげさまで多くのお客さまにご来店いただきました。昨年10月に行った一部リニューアルも非常にポジティブに作用していますね」
こう話すのは、エディオン執行役員で横浜西口本店の店長も兼務する住田徳也氏だ。
売り場面積約1万2000平米の横浜西口店の特徴をまず挙げるなら6、7階の約2000平米(=売り場全体の約17%)を玩具・プラモデル・フィギュアが占めている点だろう。渡辺氏がその理由を解説する。
「キッズとアダルトを合わせた造語『キダルト』を知ってますか? 少子化なのに玩具市場は右肩上がりで23年度には1兆円を突破。趣味として遊ぶというのは当たり前。さらに自分の気に入ったおもちゃを子供や孫に与えたいという層がおもちゃを支えているんです。ガンプラやミニ四駆はインバウンド需要もデカいですからね!」
もちろん、こうした背景も織り込み済みで、エディオンでは家電量販店初となる5レーンのミニ四駆コーナー(7階)、eスポーツ対戦場「オクタゴン」(6階)を設置。“シル活”として人気のシルバニアファミリー、巨大プラレールが目を楽しませてくれるほか、プラモデル作製・塗装ブースもあり、買ったその場で楽しめる環境が用意されている。
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