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エディオン〝東の横綱〟を目指すおもちゃ戦略 専門家「キダルト&インバウンド需要はデカい!」

東スポWEB / 2025年1月30日 17時8分

「オープンして1年、一番お客さまが定着したのが玩具売り場ですね。土日の午後2~5時はそれぞれの売り場がそれぞれのファンであふれかえっています。基本的に家電量販店にお客さまが来る機会というのは、『必要に駆られて…』というケースがほとんど。その意味でも、玩具売り場と遊べる場を併設することで親子、家族連れのお客さまを呼び込む意義はとても大きく、エディオンでは約230店舗におもちゃを導入しています」(住田店長)

もちろん本丸の家電も充実している。トレンドを先取りして直近では4階に防犯・災害グッズ売り場を設け、白物家電売り場も1・7倍に拡大。家電量販店でもプライベートブランド(PB)化が進む中、エディオンは低中価格帯で機能やデザインにこだわった自社ブランド「eangle」の商品も数多く並べている。暮らしになじむ“ステルス家電”も提案している。

臨機応変が光ったのが、6階に新設された中古レコード売り場だ。動画配信市場の成長に押され、DVDやブルーレイの映像ソフトの売り上げが落ち込む中で、あえてアナログレコードを約1500枚揃えて常設売り場としたのは挑戦的と言うしかない。触れたことのない若者のために、すぐそばにレコードプレーヤー売り場が併設されている。

渡辺氏は「かつて百貨店のような複数フロアにまたがる店舗の場合、入り口近くから上の階へと誘導する噴水効果、最上階から下へと導くシャワー効果の二軸で館内全体の回遊を上げるのがセオリーとされてきた。ところがスマホの登場で暇つぶしでぶらぶら歩くという人が減ってしまったんですよ」と消費者行動の変化に注目。

「エディオン横浜西口本店の売り場を見て気づいたのは、体験の機会が多いということ。スマホの存在を忘れて遊べる場があると思ったら、すぐ近くにフォトブースがあってスマホ撮影を促したりと非常にメリハリが利いている。(最下部にあたる)2階に生活に欠かせないスマホ売り場があって、上に最も趣味嗜好が分かれる玩具があるのはどこか象徴的なものを感じます」

安さだけを重視するならネット通販があることをわれわれは知っている。それでもなお、「ここで買い物がしたい」と思わせるには電化製品そのものだけではなく、売り場にも情緒的ベネフィットが求められると示唆しているのかもしれない。

※業界順位は「会社四季報 業界地図2025年版」(東洋経済新報社)を参照しました。

【エディオンを知る】2002年、中部地方のエイデンと中国・四国・九州地方のデオデオが株式移転方式で持株会社エディオンを設立。05年に近畿地方のミドリ電化、07年に石丸電気を完全子会社化した。22年にはニトリHDと資本業務提携。共同開発商品が好評を博している。直営店454店とFC店748店でグループ合計は1202店舗(24年3月末時点)。23年度の売上高(連結)は7210億円。07年、家電量販店としては真っ先にリフォーム事業に取り組み、23年度の売上高は633億円(業界8位)へと成長している。

Jリーグのサンフレッチェ広島、ガンバ大阪、川崎フロンターレほか、プロ野球の中日ドラゴンズ、広島東洋カープ、福岡ソフトバンクホークスなどのスポンサーとしても知られる。

☆わたなべ・ひろあき 1967年生まれ。静岡県浜松市出身。「やらまいかマーケティング」代表取締役社長。大学卒業後、ローソンに22年間勤務。店長を経て、コンビニバイヤーとしてさまざまな商品カテゴリーを担当し、約760品の商品開発にも携わる。フジテレビ「Live News α」コメンテーター。Tokyofm「ビジトピ」パーソナリティー。

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