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これからは「資産の劣化」こそビジネスの大チャンス。それを掴むための思考回路とは?

LIMO / 2019年6月20日 21時15分

これからは「資産の劣化」こそビジネスの大チャンス。それを掴むための思考回路とは?

これからは「資産の劣化」こそビジネスの大チャンス。それを掴むための思考回路とは?

成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は「資産の劣化がビジネスチャンスになる」ということについてお伝えします。

資産価値が減るところにビジネスが生まれる

日本は高度成長でどんどん物を作ってきました。人が増え続けるときは放っておいても需要が増えるので必ず資産価値が上りましたが、人口減少になると急激に価値が落ちてくる。特に老朽化しているとさらに価値は急降下します。そろそろ社会問題になってきた空き家などはいい例ですね。

資産の目減りで困る人がたくさんいれば、それを止めることはものすごく価値あるサービスになります。止めるのをやめたら終わりですから需要も長ーく長ーく続く。「維持」というのはビジネスのストック性が高くなるキーワードです。そこで世の中で劣化しているものを探して、そこにストックとなる事業を作ることがビジネスチャンスになるのです。

事業を進めるにあたっては、この先成長するものを探したくなるのが人情です。ただ、成長市場の多くは競合もみんな狙っているのですぐに真似されて追いつかれる可能性も高い。

一方で、価値が劣化していくもの、価値がなくなってしまったもの、これから投げだされそうなものにこそ改めて価値を生み出すことが、結果的にストックビジネスを組み立てていくことにつながるのです。

筆者が携わっているストックビジネスアカデミー(https://otaketakahiro.com/)という経営塾では、長期的に見て「変化」するものを一緒に探します。何らかの変化が起きると急激に資産が減る瞬間がある。その変化による劣化を食い止めるのは、ストック思考とチューニングの技術がポイントで、これで仕組みを作ればいいのです。以下、具体例を交えて説明します。

優良資産だったものが「お荷物」になる事例

筆者が手掛けている事業で、小さく生んで大きく育ち最近ますます問い合わせが増えてきているのが機械式駐車場です。よくマンションの横についているぐるぐる回るゴンドラ型のやつです。パレット型もありますね。

機械式駐車場付きのマンションがあるとします。新築当時は入居者だけでいつも満車で解約待ちの行列。これこそ「優良資産」です。それから20年経つと車のサイズも変わり、稼働率も悪くなる。このあたりはまだ資産価値は残っています。

さらに進んで建物も老朽化するころには住民の年齢も高くなって車を持たない人が増え、空きが目立つようになってくる。それに古くなると修繕箇所が増えてメンテナンスコストも必ず高くなります。

新築当初の収支は満車と安い運営費で優良資産。それが何十年か経つと空車と高い運営費で「お荷物」に。それでも、これまでは管理組合の同意で維持し、住民が車を持って使っていれば仕方がないと思えた。しかし、管理コストを負担する住民の多くは車を持たなくなっています。

利用する人も利用しない人も管理費の負担は同じというのでは不満が出る。では、廃止をすればどうなるか。駐車場付きマンションではなくなってしまうからマンションの価値が落ちてしまう・・・。八方ふさがりですね。

機械設備なので大きな修繕はまだこれから。先々この費用に悩まされることになるでしょう。それでも、他に手がなければ延命しようとしますね。

資産が負債に変わるタイミングを見極める

ところがいよいよ最終局面に近い変化がやってきます。モビリティ革命が始まりだしました。車を持たずに利用したりシェアする社会になってくれば、ますます駐車場の必要性は薄れます。また、電気自動車になれば求められるニーズに対応できない老朽化した駐車場は選ばれなくなります。

資産が負債に変わる瞬間です。

固定経費が掛かる建物ということは、現実に負債になるわけですからいよいよ限界が来る。こういうマンションが日本中にごろごろあります。

優良資産⇒⇒資産⇒【今ココ】⇒負債

必要とされるタイミング、【今ココ】がビジネスチャンスです。

筆者の会社では5年前から駐車場の集客事業を始めてコツコツと機械式駐車場のソリューション事業をつくり、老朽化したマンションの駐車場を収益化したり復活させてきました。

そして今、いよいよモビリティ革命が最後のダメ押しだと確信してこの老朽化駐車場の再生事業を拡大しています。それは「資産が負債に変わる」流れを感じるからです。実際、機械式駐車場の資産劣化をストップする仕事の需要が増えているのを実感しています。

老朽化した機械式駐車場の資産劣化をストップする具体的な方法は以下のようなものです。

管理コストダウンアドバイス

将来発生する費用のアドバイス

シェアリングのアドバイス

空き部分の定額借り上げ

管理組合の確定申告の協力

機械式駐車場を買い取って再生し住民優先で貸す

今日も地道に管理組合の総会に出て、これらのアドバイスをしています。これが私の老朽化駐車場の劣化を止める事業です(詳しくはこちら(https://p-consultant.jp/))。 

長期的な変化を先取りして、シンプルにストックビジネスにする

最初は空き駐車場探しだったものをチューニングして老朽化駐車場のコンサルティングに変えた。この資産劣化を止める仕事は継続率が極めて高いのです。そのままにすれば資産が劣化し続けるのですから。つまりこの商売は継続する価値の提供です。

劣化が止まり、お客様は得をした分の中から対価を払うので負担感がない。こうして長期的に劣化するものを見つけて改善するサービスを提供すれば、ストックビジネスの完成です。

これは一例ですので、同じように考えれば資産価値の劣化は他にもたくさんあるものです。とにかく長期的な変化はビジネスチャンス。「劣化するところにストックビジネスを作れ」が合言葉です。

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